服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第588回
白のウェスタン・スーツを着よう

『荒馬と女』という映画を観たことがありますか。
ついこの間、また何度目に観てしまいました。
クラーク・ゲイブル、マリリン・モンロー主演の
1961年の映画。
そうそう、モンゴメリー・クリフトも出演しています。
でも、古い映画の話でごめんなさい。
私の好きな映画なのです。
ついでながらこの時のゲイブルの出演料、
実に125万ドルであったとのこと。
今の貨幣価値なら
いったいどの位なのでしょうか。

いや、出演料の話ではなくて、
ホワイト・ジーンズの話。
ゲイ(クラーク・ゲイブル)は
老カウボーイという役柄なので、
当然、ほとんどウェスタン・ウェアに
身を包んで登場するのです。
この時、ゲイブルは59歳。
役者に年齢はない、というものの、
実年齢59歳で、なんとまあウェスタン・ルックが
サマになっていることか。
何度観ても惚れ惚れしてしまいます。

今、ホワイト・ジーンズと言ってしまったのですが、
実はオフ・ホワイト地の
コットン・ピケだろうと思うのです。
言うまでもありませんが、
これはモノクロ映画です。
ウェスタン・シャツといい、
ウェスタン・ベルトといい、文句なし。
大人のジーンズの良いお手本になってくれます。

さて、ゲイブルこの映画のなかで、
同じ素材のウェスタン・ジャケットと組合わせて、
いわばウェスタン・スーツとして着ているのです。
私、思わずコレダ!と膝を打ったものです。
この夏は絶対に、白のGジャンとジーンズを
スーツ風に着こなしたい。
ゲイブル風にはその下に
黒のウェスタン・シャツを着るのですが。
やはり大人の男にこそジーンズですよ。
着ているだけで気持が若くなりますからね。

そう言えば、
5年前に出してあまり人気のなかった拙書
『完本ブルー・ジーンズ』が、
なぜか今になって売れはじめた。
有難いことに今もう3版なんですよ。
本はさておき、ジーンズを愛用することは、
間違いなく、もっとも効果的な若返り法なのです。


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