服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第606回
ルーズリーフ・ノートと遊びましょう

ルーズリーフ式のノートを
使ったことがありますか。
今は紙の代りにコンピュータを使う時代で、
ルーズリーフ・ノートも
前世紀の遺物と言うべきでしょう。
でも、なにかにつけて旧式人間である私は、
そう簡単に紙を忘れることができないのです。
ことにルーズリーフ・ノートには愛着があります。
この愛着を問い詰めてゆくと、
紙にペンで書くことへの原始的な行為でしょう。
紙にペンで書くことが発想の源だと思っています。
もちろんこれは旧式人間の負け惜しみなのですが。

それはさておき、
ルーズリーフをまとめておくための
カバーを探したのですが、
今はもう簡単なプラスチック製が
主流になっています。
もっと大人が使うにふさわしいカバーは
ないものでしょうか。
この時、はるか昔に買ったままになっていた
カバーがあることを思い出した。
それは三方がファスナーになっていて
薄手で、小型の、書類鞄風のカバーなのです。
表はホースヘアーのような質感で、
大人が使っても恥かしくない。

よし、これだ!
と思ったら、紙が無い。
ルーズリーフそのものがない。
それはどうも外国製で、3穴。
日本はふつう26穴で、どうしたって合わない。
ああ、万事休す。
けれども暇人(ひまじん)はここで
あきらめたりしないのですね。
文房具店で、穴の空いていない、
単なるレポート用紙を買ってきました。
これに専用の3穴を開けて使おうというわけです。
でも、この作業が意外に面倒なのです。
試行錯誤の結果、革を思い出した。
革に穴を開ける道具がありますね。
あれで印をつけておいた上から、
トントンと打って、開ける。
できましたよ、3穴のルーズリーフ・ノートが。
少しばかり穴がきついようですが、
まあ、これはとりあえずガマンしましょう。

旧式の暇人は、
最近そんなふうにして遊んでいるのです。
いや、どんな身近かな、どんな小さなことでも、
「想い」さえあれば遊びのヒントは
どこにでもひそんでいるのです。
でも、もしかして
3穴のルーズリーフノートを
売っているところを知っていたなら、
教えて下さい。


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