服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第639回
もうこれでシミはこわくない

洋服などにシミをつけた時、
どうしていますか。
大至急、クリーニング店に出す。
たぶんこれが正解なのでしょう。
シミはつけてからすぐに処置するのが、理想。
逆に絶対に避けるべきは、
シミの上から熱をかけること。
たとえばアイロンをかけるのは、最悪です。

さて、クリーニング店ですが、
すべてのシミが必ず、
きれいさっぱりと落ちるとは限りません。
「これ以上は生地を傷める可能性があります」
などといった但書が添えられて、
それほど落ちないで、返されることもあります。
シミを取るか、生地本来の特質を守るか、
なかなか難しいところなのでしょう。

ところが最近、
新兵器を見つけましたのでご報告します。
スーパーマーケットを歩いて見つけたので、
もうご存じの方もいらっしゃるでしょう。
ライオンの「トップシミとりレスキュー」がそれです。
たしか500円位ではなかったでしょうか。
けっして高い代物ではありません。

市販のシミ抜き剤なんて珍しくもないよ、
とおっしゃるでしょう。
けれどもこれは画期的です。
というのは「シミとりレスキュー」は
プロの手順を簡略化したものだからです。
もっとも大きな特徴は、
吸収シートが付いていること。
まずシミの部分と、
この吸収シートとを重ねます。
つまり吸収シートの上に洋服などを置く。
そして必ず、シミの部分を下にして
吸収シートに重ねる。

次にいよいよシミとり剤の登場。
口紅ケースほどの大きさですが、
これを右手に持って、
シミの裏側から根気良く、
トントンと叩きつづける。
要するに生地についたシミを、溶剤でとかして、
下の吸収シートに移そうという作戦なのです。
そして繰返しになりますが、
これはプロのシミ抜き師が
伝統的に行っていたやり方なのです。

もちろん緊急用ですから、
シミをつけても平気さ、
などと思わないで下さい。
でも、ごく小さなプラスチック容器に入っていますから、
鞄に入れておくこともできるでしょう。


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