服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第667回
ぼくはあなたのことを愛しています

「キミのことを愛してるよ」と、
いちばん最近言ったのは、いつですか。
昨日ですか、先週ですか、去年ですか・・・。
私は毎日、愛してると言います。
いや、正しくは毎日、愛してると言う人間になりたいと、
思っています。
愛してる、アイシテル・・・。
こんなにも短くて、こんなにも素晴らしく、
こんなにも相手に響く言葉が他にあるでしょうか。

ぼくが愛しているのは間違いのない事実、
だからなにも今さら口に出して言うまでのことではないよ。
たいていの男がこう言います。
でも、それは違うのです。
言葉というものは、口に出して発音してこそ、
活きた言葉となるのですから。
「愛してるよ」。
これは確実に相手に伝わる。
と同時に、この美しい言葉を口に出している自分自身を
再確認できるのです。
つまり「愛している」の言葉は、
なにも相手のためにだけあるのではなく、
自分のためにもあるのです。

英語で、アイ・ラヴ・ユウ。
フランス語で、ジュ・テーム。
イタリア語で、ティ・アーモ。
今、世界中にいくつの国があるのか知りませんが、
どの国の、どの言葉でも「愛している」は
もっとも素晴らしい価値をもっています。
「愛している」を使わないのは、
たいへんな損失です。

タイでは「ポム・ラック・クン」と言うそうです。
ベトナムでは「アン・イウ・エム」
ラオスでは「コイ・ハック・チャオ」
ネパールでは「マ・ティミライ・プレム・グルツユ」
パキスタンでは「メトゥメ・ヘピャー・カルタ・フゥン」・・・。

こんな言葉を私に教えてくれたのは、
「世界の言葉で『アイ・ラヴ・ユー』」
(片野順子著、NHK出版刊、640円)という本です。
さまざまな国の、さまざまな言語の
「愛している」を列挙した風変りな本です。

これはなにも
「愛している」だけではないと思います。
「ぼくはあなたのこと好きだなあ」
ということだってあるでしょう。
もっと私たちは言葉を大切に、
上手に使おうではありませんか。


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