服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第683回
ソックス・ガーターは男の秘密兵器です

今回は、日ごろご愛読下さっている読者の
町田 様から
「ソックス・ガーター」について
質問メールをいただきましたので、
そのご回答を掲載させていただきます。


■ 町田 様にいただいたメール

件名:ソックスガーター

突然のメール、失礼いたします。
東京でサラリーマンをやっています、町田と申します。

Yahooの検索から貴Webに入ったのですが、
ソックスガータを探しています。
どこかご存知のショップ等ありましたら、
記事中に参考的にでも書いていただけないものでしょうか。

電車で着席するといつもスソとソックスの間が気になり、
ズルズルとソックスを引き上げるのですが、
なんとも締まらない様子が我ながら情けないもので。

町田


■出石さんからのA(答え)

お便りを下さり有難うございます。
袖ふれあうも他生の縁と申しますから、
今後ともお目通し下さいますよう、
お願い申上げます。

立っている時には気にならず、
座った時に気になるもの。
それは靴下です。
完全に靴下がずり落ちることはなくとも、
シワのようなたるみが出るのは、
誰しも経験することでしょう。
しかも一度気になりはじめると、
際限がなくなってしまうものです。

女子学生たちの間では、
専用の糊を使って靴下を留めているようです。
でも私としては
スティック式の糊を使って靴下を履こうとは思いません。
なぜならソックス・ガーターがあるからです。

“ソックス・ガーター”はアメリカ式の表現で、
イギリス式には
“ソックス・サスペンダー”と言うことが多いようです。
むかしは女性のストッキングもガーターで吊って履いたもので、
男性用もまた原理としてはまったく同じです。
もちろん靴下の長さが違いますから、
腰から吊すのと、
膝から吊すのとでは異ってくるのですが。

私も子供の頃、半ズボンから長ズボンに代った時、
やはりソックス・ガーターを使いました。
その時代には口ゴムが充分ではなかったからです。
最初、ソックス・ガーターを使った時、
急に大人になったような気持ちがしたことを覚えています。

さて、ソックス・ガーターも
今では扱う店が少なくなっているようです。
でも、いわゆるトラッド・ショップには
置いてある可能性が高い。
一例をあげるなら銀座の
「テイジン・メンズショップ」(TEL 3561-7519)でしょう。
値段は一組3,045円で、ワインとグレーの2色があります。
英国製とのこと。
もしかすれば今、日本では作っていないのかも知れません。
以前、私は香港で
ソックス・ガーターを買ったことがあります。
今でも香港には英国の匂いが残っているからでしょう。

ソファーにゆっくりと座った姿でも、
大いに自信の持てる足もとでありたいと思います。
ソックス・ガーターは紳士の友達ですね。


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