服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第687回
わが青春のスウェード・シャツ

今、なにか欲しい服がありますか。
いやあ、特別これといって着たい服はないなあ、
などとおっしゃらないで下さい。
アレが着たいコレが着たい、
と言っている間が、
人間にとっての青春期なのです。
そんなにはやく青春期を卒業しないで下さい。

今、私が欲しいのは、スウェード・シャツです。
薄手のレザーのシャツは一枚持っているのですが、
残念ながらスウェード・シャツは持っていない。
どこかで黒かなにかの
スウェード・シャツを一枚見つけたい、
と考えています。

スウェード・シャツには多く
シープやラムが使われます。
羊や仔羊の革を使って、
スウェード状に仕上げるわけです。
スウェード・シャツの良い点は、
軽くて、柔らかく、しかも温いところです。
さらにつけ加えるなら、ほとんどシワにもならず、
型崩れしないのも利点でしょう。
個人的な旅行などには最適だと思います。
スポーツ・シャツやスェーターの上に重ねて、
ジャケット代りにすることも出来るでしょう。

もしスウェード・シャツを買うなら、
必ず指先でそっと触ってみることです。
これは柔らかく感じるものほど上質で、
着心地も良いのです。
また左右の袖の下の部分を触ってみて、
均質であれば、
それは高級なスウェード・シャツだと考えて良いでしょう。
もし背中の部分を眺めただけで、
右と左の素材感が違っているようなら、
私としてはおすすめ致しません。

スウェード・シャツといえば
誰しも最初の一枚は、
ナチュラル・カラーのそれを求めるでしょう。
オフ・ホワイトともベージュとも表現できる色。
たしかに素材の良さと特質とを
直接にあらわせる色でしょう。
でも唯一の欠点は汚れやすいこと。
洗濯に出すのは次善の策です。
時と場合によっては固くなることがあります。
その意味でもシャツやスェーターの上に
上着風に羽織るのは、賢い方法なのです。


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2004年10月14日(木)

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