服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第688回
大いなる笑いと大いなる学び

最近、大いに笑ったのは、いつのことですか。
この間、雑誌を眺めていたら、
作家の志茂田景樹さんが
こんなことを書いているのが目に入りました。

「これも健康長寿者に共通しているが、
 M男さんもS江さんもよく声を立てて笑うのである。」
「遊歩人」10月号)

この二人は夫婦で、
夫が104歳、妻が102歳であるというのです。
場所は高知県の小さな町で、
志茂田さんは実際にこのお二人に会って、話をしている。
ともに100歳をこえていて、元気だというのは
まったくもって、うらやましい。
四万十川でとれる天然うなぎをよく食べるとのこと。
そうか、大いに笑って、天然うなぎを食べてると、
夫婦揃って100歳まで元気で過せるのか。
と、単純な私は思ってしまう。

たぶんここで大切なのは、
「声を立てて笑う」ことなのでしょう。
大いに笑う。
よく呵々(かか)大笑と言いますが、あれですね。
腹の皮がよじれるほどに笑う。
そういえば最近、「呵々大笑」はしていないなあ、
と反省してしまう。

人間にとって、
また人生にとって笑いがきわめて重要であることは、
よく言われるところです。
が、これに加えて「呵々大笑」ということがあったのですね。
大いに学び、大いに笑いましょう。

ところでもうひとつ大切なのは、生(なま)の体験。
志茂田さんは数年前から、
全国の100歳以上の高齢者を訪ねて
取材をしているらしい。
つまり高知のM男さんとS江さんが、
「よく声を立てて笑う」のをこの目で見、
この耳で聴いている。
そして書いた。
書くか書かないかはさておき、
現実の、生(なま)の体験を五感と五体とで実際に感じる。
これがなにより大切なのではないでしょうか。
これこそが本当の「学(まな)び」につながるのです。

つまり、なにかを実体験した時、
全神経で素直に吸収し、
感動することが「学び」であり、
若さを保つ秘法だと思うのです。


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2004年10月15日(金)

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