服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第693回
“鮮度”が命のタートルネック・シャツ

いくつあっても良いと思う服は何ですか。
女性の場合はスカーフ、
男性の場合はネクタイかも知れません。
でも、これらはいずれもアクセサリイで、
「服」というともっと別にあるように思います。
私なら、たぶんタートルネック・シャツでしょう。
どうしてスェーターでなく、シャツなのか。
これは素材がウールでなくコットンなので、
「タートルネック・シャツ」と呼ぶほうが、
ふさわしいからでしょう。
要するに、Tシャツにタートルネックを付け、
長袖にしたシャツを想像すれば、
まず間違いないでしょう。

もし薄手が良いということなら、
カシミアやシルクのタートルネック・スェーターもあります。
上品で、贅沢で、着心地も申し分なし。
でも、洗濯や手入れのことを考えると、
コットンはたいへん手軽なのです。
どうしても肌に直接着ることも多いので、
いつでも自分で洗えるのは有難いものです。

実際に着てみるとすぐに分りますが、
タートルネック・シャツは便利。
しかも値段もけっして高くはない。
「無印良品」などで捜すと、
1枚2000円位で買えるはずです。
色は白、グレー、ブルー、
黒などの基本色が揃っています。
できることなら、
もっとカラフルなタイプも欲しいところですが。

たとえばウールのスポーツ・シャツの下に
タートルネックを組合わせる。
と、まるでフィットした
スカーフのような印象にもなるでしょう。
むろんブルゾンやブレザー、
スポーツ・ジャケットにも
自由に合わせることが出来るでしょう。

タートルネック・シャツを上手に着こなすコツは、
ジャスト・フィットのサイズを選ぶこと。
裾はもちろんパンツの中に入れて、
全体によりすっきりとした印象に仕上げること。
そしてもうひとつ、鮮度に気を配ること。
洗って着る、着ては洗う。
しかしタートルネック・シャツは、
永遠に着られるわけではありません。
いつでも新鮮な感じを保ちたい。
「いくつあっても良い服」という意味も、
実はここにあるのです。


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2004年10月22日(金)

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