服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第706回
ブラック・ジャケットを註文する法

今回は、日ごろご愛読下さっている読者の
タケゾー様から
「ジャケットのセミオーダー」について
質問メールをいただきましたので、
そのご回答を掲載させていただきます。


■ タケゾー 様にいただいたメール

件名:アドバイスお願いします

はじめまして。

出石さんのコラムを読んで
おしゃれな大人を目指して頑張っています。

今日は教えてほしいことがあってメールをしました。

ぼくは24歳の男、身長は163cmしかなく、
さらに、骨が細いので、
いつも自分の体にあった服を探すのに苦労しています。

今、探しているのは黒いジャケットで
フォーマルすぎるものではなく、
ジーンズの上に着られる、
コットン生地(細身)のものです。
よくお店で見るものは丈が長いものばかりで
悔しい思いをしています。

どこかカジュアルな生地のジャケットを
セミオーダーしてくれるお店はないのでしょうか?

ちなみに普段はだいたいエンポリオアルマーニ
の服を愛用しています。

お忙しいとは思いますが、
アドバイスよろしくお願いします。


■出石さんからのA(答え)

お便りをお寄せ下さりありがとうございます。
また日頃からお目通し下さっていることにつきましても、
御礼を申上げます。

黒いコットンのジャケットを
カジュアルに着こなしたい。―
これは実に良いアイディアだと思います。
ことに黒無地は幅広い着こなし範囲があり、
一着持っていると重宝するでしょう。

黒いジャケットをオーダーで仕立ててもらう。
註文服であろうと
イージー・オーダー(パターン・オーダーとも)であろうと、
実に簡単なことです。
これは一般論ですが、
自分の体型に似た洋服屋に頼め、という説があります。
たとえば身体の大きい男なら、
やはり身体の大きい洋服屋が
その悩みをよく知っている、というわけなのです。
ただ、もし心配があるとすれば、
タケゾー様はかなり先端的なおしゃれが好みのようで、
その感覚が洋服屋にうまく伝わるか、どうか。
一番良い方法は、
自分で気に入っている上着を
サンプルとして持参することです。

けれども大きな問題点は、
自分で生地を持って洋服屋に行くことでしょう。
洋服屋の専門用語で「先地(さきじ)」と言って、
あまり歓迎されないからです。
しかもそれがコットンとなれば、
賛成してくれる洋服屋は
少ないのではないでしょうか。
洋服屋は一般に
ウール地の扱いに慣れているからです。
よほど親しい場合には別でしょうが。

私が時折のぞく店に
「スーツ・セレクト21」(TEL 5537-2633)があります。
新橋をはじめとして
いくつかの店があることはご存じの通り。
かなり若々しい感覚で、
値段はけっして高くない。
少なくとも一見の価値ありです。
この店で面白いのは、
ジャケットについてはS、M、Lの展開で、
このSサイズを一度羽織ってみてはいかがでしょうか。

もし、サイズやシルエットなどが気に入れば、
パターン・オーダーも可能。
この場合は既製服の値段に
1万円プラスされるだけですから、
それほどの投資でもないでしょう。


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