服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第770回
らくらくラクレット遊び

ラクレットを知っていますか。
ラクレットはスイスのチーズの名前です。
と同時にそれを使った料理の名前でもあります。
ラクレットraclette。
フランスに近いサボア地方で主に造られる
ハード・タイプのチーズ。
大きな、丸い、黄褐色のチーズ。
これを半分に切って、
切口を専用のヒーターで温める。
表面が熱でとろりとしてきたところを、
そぎ落として食べる。
たいていはゆでて
薄切りにしたポテトにからめて食べる。
ただ美味いだけでなく、
身体全体が芯から温められる料理です。

むかしから寒い地方の、
寒い時期に愛されてきた郷土料理なのでしょう。
その時代にはヒーターなんてなかったでしょうから、
暖炉やストーヴで温めたのかも知れません。
もしもラクレット専用のヒーターが入手できたなら、
パーティーなどでも大活躍すること間違いなしです。

ところで私の好きなものに
ミニ・ラクレットがあります。
いや、正しくは「ラクレットもどき」なのですが。
用意するものは、ホット・プレート。
小さな、電気式の、簡単なものです。
この上に三角形の6Pチーズを乗せる。
しばらくしてからアルミフォイルを開けると、
ほらミニ・ラクレット。
たぶん「そんなバカな・・・」とおっしゃるでしょう。
でも、これは信じられないくらい美味しい。
いくらでも食べられてしまう。
6Pチーズが大嫌いな人でも、
パクパク食べてしまいます。

温め方も人様ざまで、
ほんのりと温まったところで食べるのが
好きな人もいるでしょう。
一方、とろけ出しそうな
熱い状態が美味い、と思う人も。
さらには少し焦げはじめたところが最高、
というむきもあるでしょう。
とにかく自分の目の前で温めるわけですから、
好きな頃合で開けられる。
もちろん半ば開いた状態で温めても良いでしょう。

チーズだけを食べるもよし、
薄切りパンやクラッカーなどの
上にのせて食べるもよし。
一度試してみるだけの価値はあると思いますよ。


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