服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第845回
美しい帽子の扱い方

今回は、日ごろご愛読下さっている読者の
MMZ 様から
「帽子の扱い方」について
質問メールをいただきましたので、
そのご回答を掲載させていただきます。


■MMZ 様にいただいたメール
件名:帽子。被る時脱ぐ時

出石先生こんにちは。
いつもQさんQさんを楽しみに見ています。

出石先生の帽子の本を読んで以来、
帽子に興味を持ち始め・・・
今では10個になりました。

ところで、レストラン等、
飲食時には帽子は脱ぐものと思いますが、
オープンテラス型のカフェの場合はどうなのでしょう?

ホール型の飲食店の場合は
ソファーが多いので
帽子を置く場所も十分あるのです
が、オープンの場合は
一人用の椅子の場合が多いので
帽子を脱ぐと邪魔になってしまうのです。

この場合はかぶっていてもいいのでしょうか。
陽射し避けの意味もありますし。


■出石さんからのA(答え)

ご丁寧にもお便りを下さり、
ありがとうございます。
また、日頃からお目通し下さっていることにも
重ねて御礼を申上げます。

ひと口に帽子といっても、
男の帽子と女の帽子とがあります。
そして本来男の帽子と女の帽子は
まったく別のものなのです。
女性は食事の場合でも
原則として帽子を脱がない。
これは髪飾りの一種と考えるからです。

では、逆にどうして
男は時と場合によって帽子を脱ぐのか。
男の帽子の源流は
ヘルメットだと考えられているからです。
つまり帽子を脱がないということは、
相手を警戒している、
という意味に受取られかねないからです。

たとえば公共のエレベーターにひとりで乗る。
この時には脱がない。
が、誰か面識のある男性が乗り合わせたなら、脱ぐ。
これは警戒してませんよ、ということなのです。
が、面識のない女性の場合にも、帽子を脱ぐ。
これはレディ・ファーストの精神なのです。
つまり女性に敬意を払って脱ぐ。

ところでオープンテラスのカフェで
帽子はどうすれば良いのか。
カフェというのは
珈琲を飲む、本を読む、手紙を書く。
この場合に脱ぐ必要はありません。
仮にランチを食べる時でも
被っていて良いのです。

ただし相手がいる時にはまた別問題です。
もしその相手が親友であるような場合には、
ケース・バイ・ケースでしょう。
でも、あなたが敬意を表わすべき相手と一緒であるなら、
帽子を脱ぐべきでしょう。

さて、脱いだ帽子をどうするか。
これは本当に困ることがありますね。
ひとつの解決方法は、
店に言って、預ってもらう。
ふつうカフェにクロークはありませんが、
「置く場所がないので・・・」と言えば、
預ってくれるはずです。

あるいはなにか
小さなフックでもあれば良いのですが。
よく女性がハンドバックを
テーブルの脇にあるフックを利用して
掛けることがありますね。
あれをヒントにするのも
ひとつの方法だと思います。


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