服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第867回
マザグラン・コーヒーを愛す

マザグランを知っていますか。
要するにアイス・コーヒーのことです。
時に「マザグラン・アイス・コーヒー」
ということもあります。
マザグラン風アイス・コーヒー。

マザグラン Mazagran は
もともとアルジェリアの町の名前で、
ここでのコーヒーがフランスに伝えられ、
やがて世界中に拡ったのでしょう。
むかしフランスには
アイス・コーヒーを飲む習慣はなく、
アルジェリアでのその飲み方が
珍らしかったものと思われます。
ついでながら今はフランスでも
アイス・コーヒーを飲むことがあります。
“カフェ・グラッセ”と言えば、
それが出てくるはずです。
余談の余談、ブラック・コーヒーのことも同じく
“カフェ・ノワール”と言います。

さて、マザグランのつくり方は
たいへん簡単です。
しかも実に美味いし、
客人をもてなすにも最適でしょう。
まずコーヒー豆ですが、
フレンチ・ローストが良い。
つまり深煎りの豆を少し多めに使い、
うんと濃いコーヒーに仕立てるのです。
当然、より細かく挽いたほうが良い。―
ここまではごくふつうのコーヒーの手順と同じ。
ただし通常のコーヒーの
2倍くらいの濃さを想定して下さい。
次に、涼やかなグラスにアイス・キューブを入れる。
で、その上から暑いコーヒーを一気に注ぐ。
これでマザグランの完成。
もちろん好みによっては
上にクリームを浮べたり、
アイスクリームを浮べたりする方法もあるでしょう。

マザグランには
これといってコツはありません。
フレンチ・ローストを使って、
うんと濃いコーヒーをつくること位でしょうか。
でも、もう少し丁寧に考えるなら、
それに使う氷に配慮する。
氷は言うまでもなく冷凍庫でつくるわけですが、
この時、コーヒーを淹れるときの水と同じものを使う。
たとえば愛用のミネラル・ウォーターで
コーヒーを入れるとするなら、
あらかじめその水で氷を作っておく。

いや、私はどこかの名水を深夜にくんでくる、
なんて話になると
また道楽になってしまうのですが。


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