服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第922回
ぶどうを美しく食べる方法

ぶどうについてのジョークを知っていますか。
あまりに有名な話なので少し気がひけるのですが。

客人があったので、
立派なぶどうをすすめた。
と、その客人
「わたくし錠剤のほうは頂きませんので」

「錠剤」とあるところ、
いくつかの表現があるようですが、
要するにその客人、
ワインが大好きだったというオチなのです。
ワイン愛好家の間では
広く知られているジョークのひとつ。

ワインも嫌いではありませんが、
私はもちろん錠剤のほうも好きです。
色が美しく、形が可愛らしく、
いかにも食べて下さい
という感じではありませんか。
エメラルド、あるいはガーネットのフルーツ
といったところでしょう。

ところでぶどうの食べ方について。
房のまま水洗いをし、水切りをし、
皿なり器なりに乗せて、手を伸ばす。
なにも難しいことはありません。
ただ食べているうちに
だんだんぶどうの粒が少なくなって、
枝ばかりになってしまうのが淋しい。

そこでひとつの提案。
ぶどうを食べる時にはハサミを使おう。
つまりですね、
ハサミでぶどうの小枝をカットして食べる。
小枝をカットすると、
そこに3粒か4粒のぶどうがついてくる。
この小枝からぶどうの粒を取って食べる。
すると粒が減っても
それほど哀しい様子にはならないのです。
これもまた、美しいぶどうの食べ方のひとつでしょう。
いかにもぶどうの小枝をカットするにふさわしい
小バサミがあるといいですね。

さて、ぶどうを食べる時、
皮まで食べる人と、中身だけを食べる人とがいます。
むろん好みでしょうが、
私はどちらかといえば
皮も食べることが多いようです。
それから、タネをどうするか。
これは好みの問題に加えて、
タネによって固さの違いがあるのではないでしょうか。
本当は、皿の上に小枝だけが残るほうが
美しいのかも知れません。
それはともかく、これから小さな、
美しいハサミを探そうと思っています。


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