服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第923回
ブレザーを親友にするコツ

ブレザーはどんなスタイルがお好きですか。
シングル前のブレザーもあれば、
ダブル前のブレザーもあります。
2つボタン型もあれば、
4つボタン型もあるでしょう。
さらにはデザインやスタイルによっても、
全体の雰囲気は大きく変ってきます。
これはもう着る本人の直観で、
好きなスタイルを選ぶべきでしょう。

ただしブレザー本来の魅力は、
セパレーツ・スタイルというところにあります。
上着は上着、パンツはパンツという組合わせ方。
この場合の常識としては
両者をはっきりと違えるのが良いのです。

少し極端な例を考えてみましょう。
ネイビー・ブルーのブレザーに、
白のパンツを合わせる。
当然、明確なコントラストが生まれますね。
その白いパンツに白いシューズを合わせる。―
実はこれ、1930年代までの
ごく一般的な着こなしであったものです。

いきなりホワイト・フランネルズの
昔に帰ろうとは言いませんが、
セパレート・スタイルの醍醐味が
コントラストにあることは間違いありません。

これを現代に置き代えるなら、
ホワイト・ジーンズやチノ・パンツ
ということになるでしょうか。
この時、忘れてはならないのが、シューズ。
できるだけパンツと
一体化するような色とスタイルを選ぶことです。
もちろんそれはスニーカーや
スリップオン・シューズという方法もあるでしょう。

上半身の一体化と、下半身の一体化とが
意外なかたちで出会う。
これが着こなしにおける
コントラストの妙なのです。

この原則を上手に演出すれば、
あとはVゾーンで大いに選ぶことです。
つまりシャツやスカーフなど。
たとえばワイン・カラーのタートルネック・スェーター。
たとえば深いグリーンのスポーツ・シャツに、
ゴールド・カラーのシルクのスカーフ・・・。
これはコントラストに対するアクセントになるわけです。

このような着こなしについての考え方は
ブレザーだけでなく、
広くセパレーツ・スタイルについても
同じことなのです。


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