服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第936回
成功者の小道具

「ナショナル・カフ・リンク・ソサエティ」を
知っていますか。
実は私も詳しくはありません。
とにかくアメリカに
「カフスボタン協会」というものがあるらしい。
会長はユージン・クロンパス氏。
“ザ・リンク”という会報誌も出しているとのこと。
“ザ・リンク”は「手を組む」とも訳せますね。
おそらくはカフスボタン愛好会だと思います。

まあ、それはともかく
「なぜカフスボタンをするのか?」という問いに、
<成功者のシンボル>と答えたそうです。
もちろん他にも<自己表現>とか
<自慢のコレクションが見せられる>
などの答もあります。
しかしそれにしても
<成功者のシンボル>とは
実に明快な解答ではありませんか。

私などは純粋におしゃれを目的に
カフスボタンをあしらったりするのですが、
見方によっては
<成功者のシンボル>ともなるわけです。
たしかにゴールドやプラチナのカフ・リンクスであれば、
決して安いものではありません。
ダイヤモンドやサファイア、ルビーなどをあしらえば、
値段の見当もつかなくなってしまうでしょう。

また、しかるべきカフ・リンクスを飾ろうとすれば、
しかるべき袖口、ワイシャツが必要になってきます。
さらにはそれにふさわしいスーツや靴が
必要になってくるでしょう。
なるほど<成功者のシンボル>とは
言い得て妙です。

―しかし、だからこそカフスボタンのマナーが
必要になってくるのではないでしょうか。
もし、仮にゴールド(純金)の
カフ・リンクスを選ぶなら、
大きなデザインは避けるべきです。
小ぶりで、シンプルなデザインこそ、
ソリッド・ゴールドらしいし、
また上品でもあります。
高価な材質であればあるほど、
小さく、上品に表現したほうが、
エレガントというものです。

そうではありますが、
私としては皆さんに少しでも
カフスボタンを付ける機会をふやして頂きたい。
より成功者に近づくためにも。


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