服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第959回
世界一優雅なランチ・タイム

ハンバーガーはお好きですか。
もちろん私も美味しいハンバーガーなら大好きです。
ハンバーガーらしきものの歴史はたいへん古い。
1889年の『ジ・ユニオン』紙(1月5日付)に
その名前が出てくるとのこと。
アメリカ、ワシントン州のワラワラという町の
地元新聞に紹介された記事。
でも、その名前がたいへん長い。
“ポークチョップビーフステイクハムアンド
 エッグハンバーガーステイク”
というのを作ってはどうか、
という半ば冗談のような話。
つまりアレモコレモ混ぜたら美味しいのじゃないか、
という提案。

けれども誰も
そんな奇抜なことをしようとは思わなかった。
コネチカット州ニュー・ヘブンの
ルイス・ラッセンという男がはじめるまでは。
L・ラッセンはこの町で
「ルイス・ランチ」という店を開いていて、
ここで出してみたところが
好評であったというのです。
ただしそれは2枚のトーストの間に、
焼いた挽肉をはさんだ食べ物であったらしい。

男なら、誰でも一度はひとり静かに、
何の気を使うことなくランチを食べてみたいと
思うのではないでしょうか。
そんな時にはとびきり美味しいハンバーガーが
ぴったりだと思うのです。
そして極上ハンバーガーの隣には
適度に冷えたドイツ・ビールがあったりして。

私の秘密の場所をそっとお教えしましょう。
どうかお友達にはあまり教えないで下さい。
それは東京駅からすぐ近くにあります。
「フォーシーズンズホテル 丸の内」の
最上階の「EKKI」(エキ)。(TEL:5222-7222)
まさかそんな所にハンバーガーがあるわけ・・・
と思うでしょう。

それが実はあるんです。
「和牛ハンバーガー」(2700円)と言って下さい。
必ず、極上ハンバーガーが出てきます。
で、おきまりのフライド・ポテトが
たっぷり添えてあるも、嬉しい。
で、これをトリュフ入りの特製マヨネーズで食べる。
これだけでも、大満足というものです。
さあ、この世界一のランチで頭の中を幸福にして、
午後のビジネスに戻ろうではありませんか。


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