服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第975回
幸福な人生の秘訣

この世でいちばん大好きな人は誰ですか。
でもこれは難しい質問かも知れませんね。
父や母、妻や子・・・。
まず誰でも近親者から
指を折って考えてゆくでしょう。
しかしそれとはまた別に
「いちばーん」大好きな人がいるというのは、
幸福な人間だと思います。
愛すべき人、尊敬すべき人、見習いたくなる人・・・。

いつかも少しお話したかと思いますが、
私の「いちばーん」大好きな人はMさんです。
実名をここで出すわけにはいかないので、
仮にMさんとしますが、実在の人物です。
Mさんは今たしか85歳くらいですが、
元気で、おしゃれで、プレイボーイ。
ある会社のオーナー社長で、もちろん現役です。

そのMさんから最近、
お手紙を頂くようになりました。
お手紙とは半ばビジネス・レター、
半ばレポート、半ば私信・・・。
それがまた抱腹絶倒もので、
思わず笑い出してしまう面白い内容なのです。
それがナント原稿用紙に手書きのお手紙。
私のところにもそれをコピーしたもの下さいますから、
何人かのお得意様にお配りしているのでしょう。
お忙しいでしょうに、
原稿用紙10枚程度、万年筆で書く。
これもまたMさんにとっての
元気の源だろうと思います。
また私たちも、その手書きの文字を読むことで、
Mさんの元気を分けて頂く。
電子メールも大賛成ですが、
時にこんな肉筆の手紙ごっこも
愉しいのではないでしょうか。

ところで最新のMさんの手紙には
付録が付いていました。
「私の好きな言葉」なのだそうです。

<面白き事もなき世をおもしろく、
  住みなすものは心なりけり>

これを読んだ時、
Mさんの明るい、元気な、成功の秘密の一端が
分ったような気持になりました。
本当にそうですね。
「面白くもない」といっては何もはじまりません。
私が言ったのでは迫力がありませんが、
すでにそのことを実践しているMさんが
あらためてそう言う時、深い真実味があります。
面白くしようとする心が、
すべての出発点なのですね。


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