服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第983回
幸福を招くボタン

グッド・ラック・チャームを
何か持っていますか。
私の場合はルチルクォーツのブレスレットでしょうか。
プレゼントとして頂いたものです。
ルチルクォーツは本水晶とも
相性が良いのだそうで、
またその人の感性を
高める力をも秘めているとのこと。
まず、最初にルチルクォーツを朝日のもとに
3日間さらして邪気を払う。
それからゆっくり人間の肌と体温とで愛してゆくと、
素晴らしい効力を発揮するというのです。

まあ、平たく言えば
「お守り」の一種ですね。
もちろん日本だけのことではなく、
“グッド・ラック・チャーム”の言葉があるのは
ご存じの通り。
どんなものにも不思議な力がそなわっている、
と考えるわけです。
あるいはその不思議な力を
上手に利用するかしないか、と考えるのです。

ごく身近なところで探してみると、
ボタンもむかしはグッド・ラック・チャームの
ひとつだったのではないでしょうか。
中世には金、銀、宝石、貴石をはじめとする
高価なボタンも珍しくありませんでした。
あれもまた見方を変えるなら、
「お守り」の一種だったのではないでしょうか。

シャツのボタン、カーディガンのボタン、上着のボタン。
ふと気づくとほとんどが
合成樹脂のたぐいではありませんか。
かつてはこれらもパールのボタンや美しい貝のボタン、
あるいは水牛の角(つの)などが使われたものです。
全部のボタンすべてを換えるのはたいへんですが、
せめて一ヶ所くらいは
グッド・ラック・チャームになってくれそうなボタンに
換えてみませんか。

満月の光に一晩あびせた後で、
たとえば第一ボタンに
そのボタンを付けてみるのはどうでしょうか。
もしもその力を本当に信じるなら、
それは「お守り」であり
「魔除け」となってくれるでしょう。

チャームは「魔力」であり「魅力」ですが
ここからひとついえることは、
「お守り」で自分の内なる力を
たくわえられることが、
本当の「魅力」を持つことができるのです。


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