服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第989回
星が教えてくれること

夜の空をゆっくりと見ることがありますか。
寒い冬の夜にこそ美しいもの、それは星です。
天気さえ良ければ、
そして少し暗くさえなれば、
誰でも星を見ることができます。
そして実に心が広く、すべて無料なのです。

さて、今、夜空を見上げて
すぐに見つけられるのは、シリウスでしょう。
肉眼にもはっきりと輝いて見えます。
このシリウスを中心に構成されているのが、
おおいぬ座です。
そしておおいぬ座の少し右上に位置するのが
オリオン座です。
星を少しづつ点でつないでゆくと、
鼓(つづみ)のような形をしています。
これがオリオン座。
鼓のくびれた部分に
大きな星が3つ並んでいますが、
これをベルトだと考えるのです。
そのために“ベルト・オブ・オリオン”とか
“ガードル・オブ・オリオン”の呼び名があります。

ギリシア神話によれば
彼はすぐれた狩人だったのですが、
アルテミスによって殺される。
アルテミスはローマ神話でいうところの
“ダイアナ”で、月と狩りを司る女神。
つまりオリオン座は狩人がベルトを締め、
手に剣を持った姿なのです。
神話のむかしから、
幅広のしっかりとしたベルトは
兵士や狩人の象徴であったことが分るでしょう。
しっかりとしたベルトは
武器などを吊るすための
必要不可欠なアクセサリーであったからです。

私も小さなことで
クヨクヨと悩むことがあります。
でも、夜の星を眺めていると、
宇宙の大きさが実感されて、
なんとまあ人間の存在の小さいことかと、
あきれてしまうのです。
たとえばオリオン座の左上のペテルギウスは
500光年の距離というではありませんか。
今、私たちは500年前の光を眺めているわけです。
もっと心を大きく持てるのではないでしょうか。

もちろん昼でも星を見ることはできます。
寒くもなく、ゆっくりと座って、静かに星を見る。
なによりの気分転換です。
それはプラネタリウムです。
たとえば「日本科学未来館」(TEL:3570-9151)
宇宙の大きさを感じたい時には
ぜひ星を眺めましょう。


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