門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第2回
「京都ネーゼ」

「京都ネーゼ」というイタリア料理店。
京都らしい、とか京都風という意味である。
京都には京都イタリアンというジャンルが確立されている。
京野菜をたくみに使った料理のことだ。

ここのシェフ森博史さんは、
東京の「ヴィノッキオ」や「アルポルト」で働いた経験があり、
その後京都調理師専門学校で講師を務め
独立を果たしたのが4年ほど前のこと。

京野菜をふんだんに使う。
また関西で人気の、
滋賀県「かしわの川中」の淡海地鶏を使ったメニューも多い。
僕が、ほぼ毎回食すのは淡海地鶏(内臓)の軽いスモーク。


これには少し仕掛けがある。蓋付きの器で供され、
蓋を取ると煙が上がってくる。
つまり器は二層になっており、
下にはスモークチップを忍ばせているのだ。
その燻製香を楽しみながら内臓を食べる。新鮮な内臓ゆえ、
匂いも柔らかで凝縮した味わいを堪能する。

また、ここでは
大原・山田農園の卵を使ったメニューがはずせない。
平飼いされた鶏から生まれる卵。
まず黄身の濃厚さに驚く。それも弾力ありだ。
コクはあるが、あと口がさっぱりというのが凄い。
その黄身を一人前5個使うというカルボナーラの迫力に、
いつも頭を垂れてしまうほど。
まるで黄身のプールの中にパスタが泳いでいるような感覚。

ベーコンの脂分との相性も見事である。
よこに添えられたパルミジャーノも加われば
無敵の一品となる。
一人前を2人で食べるのがお薦め。
締めのデザートにこの卵を使ったスフレもありだ。
出来上がったスフレの上に黄身が1個乗る。
これをつぶしながら食べるとこれまた黄身の虜となってしまう。

と山田農園の卵の話が多くなったが、
京都ネーゼの強さは森シェフ筆頭に
スタッフのホスピタリティが素晴らしい。
メニューのチョイス、ボリュームの調整など自由自在である。
「どこかで食べたあとで、
デザートとエスプレッソだけでも結構です」と。
このもてなしと戯れたい一軒である。


【本日の店舗】
「京都ネーゼ」
 京都市中京区三条木屋町上ル三軒目 三条木屋町ビルU3F
 075-212-2129
 18:00〜24:00(L.O)


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2011年2月11(金)

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