門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第4回
「関西讃岐うどん」の確立

うどんは大阪、蕎麦は東京という図式がずっと続いてきた。
だが、いつの頃からか
「挽きたて、打ちたて、湯がきたて」という
「三たて」の十割蕎麦が出現して以来、
トップランナーの数に違いはあれど、
関西にも蕎麦の文化は定着した。

といったところに讃岐うどんの隆盛である。
麺の讃岐、出汁の大阪という常識を覆し、
関西でも讃岐系統のコシのあるうどんが主流となった。

その状況に大きな衝撃を与えたのが
「釜たけうどん」のたけちゃんこと木田武史さんだ。

たけちゃんは元々うどん好きで、
関西や讃岐のうどん屋をめぐりブログを書いていた。
それが絶大な人気を誇り、
ついには自らうどん屋を営むことになった人物。

修業は讃岐。
だが、永らく食べ歩いた経験を生かし、
いつのまにか「関西讃岐うどん」
というジャンルを確立したのであった。
来る者は拒まず、自分が知りえた知識は惜しげもなく開陳する。
それによって、
また学ぶことが多くなり進化すると考えたのである。

大阪・なんばにある「釜たけうどん」は
開店からずっと行列が続く。
うどんは時間をかけ足で踏み熟成させる。
太さもかなりで茹で時間も12分を超える。
表面と内部の歯応えの差がコシとなる。
それに歯を入れたときに粉の香りと味が広がってゆく。
そのまま噛んでも充分に旨い。
たけちゃんの発想から生まれた「ちく玉天ぶっかけ」は、
いまや関西ではポピュラーなうどんとなったのである。


「釜たけうどん」で修業をかさね独立を果たした店は多い。
その宣伝役も努めるたけちゃんだが、
これまで支店を出すことはなかった。

だが、昨年秋、ついに梅田に「梅田 釜たけうどん」
を出すこととなった。
「関西讃岐うどん」を広めるための決断。

梅田新食道街というJR高架下に
数十店舗の飲食店が並ぶところへの出店だ。
たけちゃんの夢をかなえるべく、
梅田に打ってでたのである。

【本日の店舗】
 大阪府大阪市北区角田町9-25
 11:00〜22:30(麺売切れ次第閉店)
 06-6363-7746


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2011年2月18(金)

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