門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第15回
サイフォンによる自家焙煎「カフェ ラヴニール」

僕の事務所は、大阪の堂島にある。
堂島は大阪駅と中之島の
ちょうど中間地点でビジネス街だが、
四つ橋通りを一本東に渡ると歓楽街の北新地がある。
仕事を始めて約40年を数える。
事務所は4カ所変わっているが、
住所はずっと堂島である。
つまり北新地を40年近くつぶさに観察してきた。
ここ数年のカジュアル化はすさまじい。

昨年、「ホテルエルセラーン大阪」が誕生し
地階は飲食街である。
その一軒「カフェ ラベニール」。

自家焙煎でメインはサイフォンというカフェだ。
まず、この界隈で自家焙煎というのが希有、
おまけにサイフォンはもっと珍しい。


いま珈琲の世界ではペーパーフィルター、ネルドリップ、
プレスがほとんどである。
オーナーの橋本和也さんは
2003年のバリスタチャンピョンシップ・サイフォン部門
セミファイナリスト。

その技術をいかすべくサイフォンで珈琲を淹れる。
もちろん、サイフォンだけではなくマシーンを使う
エスプレッソやプレスなど種々のスタイルが楽しめる。

サイフォンの特徴を尋ねてみると
「他の抽出方法との大きな違いは、
高温で抽出するということです。
つまり香りが出やすいということ。
でも雑味も出してしまうという点もあります」と。
加えて「ブラジルなどは
そんなに特徴が個性的ではないので、
サイフォンで淹れると香りが立ってきます」
と付け加えてくれた。
そこでオーダーしたのが
「ブラジル・トミオフクダ」
というスペシャルティコーヒーだ。
愉しみにしながらできあがりを待つ。

まず飲み口は非常にさわやかである。
酸味がかろやかに口の中でひろがりをみせる。
またコクもしっかり感じることとなった。
ふくよかな厚みもうれしい。
また甘みもある。
「この豆はホントにきれいなので、
生豆の段階でハンドピッキングする必要がないのです」
と生豆をみせてもらうと、じつに美しい豆であった。
事務所の近くにこんな店があるのは幸せなのである。


【本日の店舗】
「カフェ ラヴニール」
 大阪市北区堂島1丁目5−25 
 ホテルエルセラーン大阪B1
 06-6344-9022


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2011年3月29(火)

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