門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第25回
東京・恵比寿の旨い珈琲店「ヴェルデ」

恵比寿に長年友人が住んでいた。
山手線恵比寿駅から代官山方面に歩く。
そのときいつも気になっていた珈琲屋があった。
表に「自家焙煎 ヴェルデ」と書かれた看板がぶら下がっていた。

入口の左には焙煎機が見える。
店内はカウンターとテーブル席に分かれる。

京都で好きな珈琲店がある。
そのマスターは独学で店を開いた。
自分でいろいろな店を飲み歩き研究したという。
「お気に入りの珈琲店はどこですか?」という質問に対する回答が
「東京恵比寿のヴェルデという店です」であった。
その名前は聞いたことがあるが、
即座に思い出すことが出来なかった。

そのモヤモヤが解消された。
恵比寿の気にしていた珈琲店ではないか。
以来、恵比寿周辺へ行くと訪れる。
この店が興味深いのは、客層のバリエーションが豊かなことだ。
純粋にコーヒーを楽しむ人たち、
またカウンターで常連がマスターとの会話に興ずる、
打ち合わせに使っている人たちなどなど、
どのパターンも無理なく同居しているのが見事だと思う。

マスターはネルドリップでコーヒーを淹れる。

どれもが深煎りで、濃厚だが香りが高い。
ネルドリップの扱いがじつにスピーディだ。
一滴目を注いだ瞬間から淹れ終わるまで
流れがほとんど留まることがない。
この姿を見るのも楽しいと感じた。

先日訪れたとき、一人でカウンターに座った。
僕の言葉は大阪弁のイントネーション。
「関西の方ですね」とフランクに話すきっかけが生まれた。
ネルドリップの使い方や保管の仕方などを聞き出すことができた。
問題はネルに付着する匂いのことであった。
それをいかに防ぐかが、
ネルドリップを使いこなすコツでもあった。

たまにしかネルドリップを使わないのなら、
ペーパー式のほうが無難のようだ。
各店のスタイルを聞き、
自分にあったスタイルをじっくり考えるのが、
得策なのだろうと思った。

【本日の店舗】
「ヴェルデ」
 東京都渋谷区恵比寿西1-20-8
 03-3496-1692


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2011年5月3日(火)

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