門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第28回
レストラン ヴァリエ

大阪・中之島に「レストラン ヴァリエ」という
フランス料理店がある。
オーナーシェフは高井実さん。
いまはなきホテルプラザの「ル・ランデブー」出身で、
フランスの「ロアジス」での修業経験ありの人物だ。
ホテルプラザのあとは、ウェスティンホテル淡路を経て
大阪の福島で独立。
そこで着実にファンを増やし、一昨年中之島に移転した。

ウェイティングやバー、個室、シャンデリアを含めた
グランメゾンというスタイルとなった。
世間がカジュアル化、ビストロなどを求める時代に
あえてレストランの形態をとったのだ。
「フランス料理の楽しみは、料理も多彩、スタイルも多彩」
とシェフは堂々と胸を張って話す。

アミューズに出た
ジャガイモのブランマンジェ グリンピースと亀岡野菜は、
まさに新緑を感じさせる逸品だ。

一転してオードブルの一皿では
スペシャリテの生ウニのスフレ ライム風味が登場した。

味わいは濃厚だが軽い。
魚料理は徳島産鮑と小イカのリゾットに
香川産鯛のプロヴァンサルである。

そこにはトマトやハーブなどで軽やかさと
香りの演出がうまくなされている。

そしてメインの肉料理が、
佐賀牛とフォアグラ ロッシーニである。
ソースはもちろんペリグー、つまりトリュフがタップリだ。

この古典的なメニュー。
牛にフォアグラの脂分とうま味をプラスして仕上げる。
だが、脂っこくなっては意味がないのだ。
それは牛の選び方も大きく左右する。
そこをきちんと押さえた高井シェフのロッシーニは、
ふくよかでうま味充溢、かつさわやかな一皿となって
僕の胃袋にすっと収まってしまった。

シェフは厨房で調理を担当する。
客席の動きを確実にとらえ、
それを厨房に伝えるのがフロアの仕事。
このコンビネーションが美しい連携をとっているのも、
ここ「ヴァリエ」の凄さでもある。
加えてワインのプレゼンテーションも素晴らしい、と付け加えたい。

【本日の店舗】
「レストラン ヴァリエ」
 大阪市北区中之島3-3-23 中之島ダイビル2階
 06-4803-0999


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2011年5月13日(金)

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