門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第29回
ビジネス街の安らぎ「MOTO COFFEE」

大阪北浜、土佐堀通りと
堺筋が交差する北西角に「MOTO COFFEE」はある。
土佐堀川に面した小さなビルだ。

店内は1階で珈琲を注文する。
それを味わうのは地階の客席か、川に面したテラス席。

地階は川に面してカウンター席とテーブル席がある。
ここは天井が高いので地階という意識が少ない。
また、テラス席だと向かいが中之島公園で、
視線の先には「東洋陶磁美術館」「中央公会堂」などがあり
非常に気持ちがおおらかになる。

また2階、3階は個室になっており、
小さなグループで使うことも可能なのだ。
じつは、階上に向かうには一旦外に出て
別の入口から急な階段を上がるという行程が加わる。

ちなみにトイレも3階。
これもまたこの「MOTO COFFEE」の魅力の一つでもある。

コーヒーは名古屋の人気店「coffee Kajita」の豆を使う。
関西では数が少なく貴重な存在だといえる。
僕は深煎りタイプが好みなので、それをチョイスした。

やや苦みの利いた味わいだが、きれいな飲み口。
雑味が無いのですっきりとした印象を受けるのだ。
そして飲み終えたあとにかすかな甘みを感じる。
そこで水を口に含むと甘みが増幅されるというわけだ。
またクロワッサンや
トーストなどパン類も充実しているのがうれしい。
もちろんコーヒーだけでもしっかり楽しめるのだが、
パンがプラスされると印象が大きくことなることがある。
とりわけクロワッサン系は油脂分が多いので、
深煎りの珈琲にはより寄り添ってくれる気がする。

この店のオーナーは内本町で
「SHELF」という器のギャラリーを持つ。
現代の作家を中心とした展示で評価が高い。
だからここの空間デザインや器選びなどのセンスにも、
彼の美意識が如実に表れている。

ビジネス街の中にありながら、一度この空間に身をおくと、
別の時間が流れているような感じがする。
リフレッシュの時間を持てる素敵な一軒である。


【本日の店舗】
「MOTO COFFEE」
 大阪市中央区北浜2-1-1 北浜ライオンビルディング
 06-4706-3788


←前回記事へ

2011年5月17日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ