門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第33回
CAFE OPAL

かつて京都・河原町三条を上がった西側のビルにあった
「CAFE OPAL」。
エレベーターを降りるとそのまま店内という構造も面白かったが、
なにより夜遅くでも美味な珈琲が飲めることがうれしかった。
珈琲豆は美山の「オオヤコーヒ」もしくは
「オオヤコーヒ」に関連する河原町今出川の
「KAFE工船」のものであった。

そんな「CAFE OPAL」が突如、
四条大和大路を下がったところに移転したのは
3年ほど前のことだ。
ときおり前を通り店名プレートを見ていたが、
入る機会を逸していた。
大和大路から入口まで少し距離がある。

中庭があり、いまどきのカフェの風情を漂わせているのだ。
やや時代がかった椅子やテーブルも
懐かしい雰囲気で落ち着いている。


珈琲は以前と同じ「オオヤコーヒ」「KAFE工船」だ。
今週の珈琲を飲む。
やや苦みも感じるのだが、すっきりと喉を滑ってゆく感じがいい。
その後の香りが、アロマティックで甘い。


「オオヤコーヒ」はいまやカリスマ的な人気を誇る焙煎所である。
独特の深い煎り具合が僕は好みだ。
味わいにも深みがあるのだが、
なにより飲んだあとの香りを楽しめるのが素晴らしいと思う。

そんな珈琲と
ややアンバランスにも思う店内の雰囲気がまた興味深い。
それが、いまの時代が求めているカフェなのかもしれない。
週末の午後ということもあったのか、
予想していたより年輩のお客さんが目立ったのも面白かった。
同行の友人も「ちょっとびっくりしました。
こんなに年輩の方が多いのには・・」と感想を漏らしていた。

レトロという感覚を新鮮にとらえるか、
またノスタルジックに響くのか。
年代によって受け取り方は違うのだろうが、
この「CAFE OPAL」は、
そのどちらにもピタリとはまったのであろう。

そこに「オオヤコーヒ」の豆が使われている安心感があるのも
大きな要因である。


【本日の店舗】
「CAFE OPAL」
 京都市東山区大和大路通り四条下ル三丁目博多町68
 075-525-7117


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2011年5月31日(火)

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