第34回
堂島精肉店

大阪・北新地の様変わりは著しい。
まずランチ営業を行う店が増えた。
夜は、女性だけのグループが楽しめる店も続出である。

なかでもひときわ注目を集めているのが「堂島精肉店」だ。
名前の通り、精肉を扱う店だが、店頭にカウンターを設え、
そこで多彩なメニューを提供するようになった。

焼肉丼は、濃厚なタレで炒めた牛肉がどっさり入る。

あまから味のタレと白御飯、
そしてやや脂をもった牛肉との相性が素晴らしく、
一気に食べてしまう勢いである。
なんといっても精肉店だ。
いろんな部位の肉がある。
その切れ端を集めるだけでも十二分なボリュームとなる。
それを使うのだから値段も手頃、味も旨いということだ。
豚汁定食も同様である。

「とにかく安く食べていただきたい。
そしておいしい料理。
これでないと、うちがやる意味がないですから」
と店主の東洋一さんは強く語る。

夜になるとぐっとメニューが増える。
壁にびっしり貼り付けられた品目。
たとえば赤身100グラム280円、
ロース・ヘレそれぞれ100グラム980円、
堂島コロッケ１個180円、ＭＩＸホルモン500円、
ハムカツ500円など非常に良心的な価格で料理を提供する。
ショーケースの中から肉を取り出し、
その場でカットし焼いてくれるのである。
その流れを見ているだけでも、気持ちが高揚してくる。

あるときなどは、カウンターが満席。
あきらめかけると「中にも席があります」
と厨房内に座ることができ、何人かがそこで食べていた。
まさにライブ感溢れる食空間。
だから昼も夜も
この「堂島精肉店」に多くの人たちが集まるわけだ。

【本日の店舗】
「堂島精肉店」
　大阪市北区曽根崎新地1-9-13
　06-4798-0129