門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第35回
かもがわカフェ

ホント京都には個性的な珈琲店が多い。
「かもがわカフェ」もその一軒である。

古い家屋をリノベーションし2階がカフェになっている。
天井は高く、中3階もある空間。
壁には本や雑誌が並んでいる。
レコードやCDのコレクションも豊富だ。

珈琲店というより、
なにやら昔の寺子屋を想像してしまうのである。

そしてなにより興味深いのが珈琲豆の焙煎機だ。
オーナー・高山大輔さんは
直火型のハンドロースター(東京の「大坊珈琲店」と同種)に
自作のボックスを加えたもので、
毎日焙煎を繰り返す。

直火型なので、コクがあり深煎りとなる。
僕にはうれしい好みの珈琲というわけだ。

この日は、今日のコーヒーの「マラウィ ミスク」を選択した。
「マラウィってどこですか」という質問に高山さんは
「タンザニアやザンビアの近く、アフリカ南東部です。
コクがあり苦みもしっかりした味わいです」と即答であった。
好みである。
淹れられた一碗。香りはやや甘みを感じさせる。
一口目の印象は甘みをともなった苦みである。
後口はきわめてすっきりとしていた。
これはまた次も飲みたくなる一碗であった。

飲んだのちに高山さんと少し話した。
気になっていた焙煎機のことであったり、
以前「SARASAかもがわ」という店名であった由来などを聞いた。
「東京の『大坊』さんが理想の珈琲屋さんなんです」
と聞いたときはうれしくなって
「僕も大好きな珈琲店で、もう35年以上通ってます。
それと博多の『美美』さんが好きなんです」と話したのである。
まだまだ話すことはたくさんあるように感じた。
もちろん珈琲のことだけでなく、
置かれている本や雑誌、
音楽のことなど話題には事欠かないなと思った。

開放感のある空間である。
ここでは珈琲を飲むだけでなく、
なにかイベントが出来そうな気配も感じている。


【本日の店舗】
「かもがわカフェ」
 京都市上京区西三本木通荒神口下ル上生洲町229-1
 075-211-4757


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2011年6月7日(火)

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