門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第43回
TOKUSHIMA COFFEE WORKS 山城店

徳島県は人口一人あたりのコーヒー消費量が日本一といわれる。

久しぶりに訪れた「珈琲美学」。
「あれっ、店名が違いますよね」と尋ねると
「店名が変わっただけで、なにも変わっていません」との返答であった。
新たな店の名は「TOKUSHIMA COFFEE WORKS 山城店」である。
午前11時頃というのにかなり台数のある駐車場が満車状態。
退店する人を待って駐車場内に停めたほどだ。
店内も広くテーブル席にもわずかに空きはあったが、
あえてカウンターに陣取った。

入口の看板に「ネルの店」と書かれていた。
その姿を間近に見たいという気持ちも強かったのだ。

オーダーはマンデリン。
豆を選び、ミルで挽く。
そしてネルドリップに挽いた豆を入れるところまでは、
通常のネルドリップの店と変わらないスタイル。
だが、そこから少し形が変わる。
ネルドリップを固定する機材が設置されていたのだ。
繁盛店でネルドリップは、回転が悪いと思い込んでいた。
しかし、ここの固定スタイルなら同時に
何種類かのオーダーをこなすことばできる。
たしかに動きが規則正しくブレがない。
淹れ終ったコーヒーを温め直す。
「僕は温め直さなくてもいいかなと思ったりします。
でも熱いコーヒーを好きだという人のほうが多いので、
そうしています」と実のところを話してくれた。
うれしい体験である。
反対にあまり熱いとすぐに飲めないこともあるのだ。

マンデリンはじつに上品な味わいであった。
マンデリン特有の苦みはきちんと感じるのだが、
土っぽさやドロリとした口当たり具合は優しかった。
好みの味には違いない。

もう一杯はエスプレッソを飲んだ。
これはクレマもしっかりあって、予想通りのエスプレッソである。
ネルドリップとエスプレッソ、
どちらも高いレベルで楽しい思いをしたのであった。

【本日の店舗】
「TOKUSHIMA COFFEE WORKS 山城店」
 徳島県徳島市山城西1-7
 088-655-8877


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2011年7月5日(火)

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