門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第47回
自家焙煎 珈琲屋 チャペック

金沢と能登半島へ旅に出かけた。
金沢には何軒か行きたい自家焙煎の店がある。
その一軒が「自家焙煎 珈琲屋 チャペック」だ。
何年か前に訪れたことがある。
場所は近江町市場の近くであった。
ところが「チャペック」は住宅街に移転していた。

比較的大きな一軒家だ。
外壁に「チャペック」と大きく書かれている。
そのイラストがとても可愛い。

店名の「チャペック」はチェコの作家、
カレル・チャペックにちなんだものである。
入口でも、このイラストが迎えてくれる。
店内もカウンターとテーブル席がありかなり広い。
この日はカウンターを選ぶ。

メニューを見ると相当種類が多い。
僕はどの店でもマンデリンを注文するのだが、
ここでは煎り具合がわりと浅めなのでエチオピア・シダモとした。
結構深煎り、クリアにして酸味と苦みのバランスよし。

「移転されてどのぐらい経ちますか」と尋ねると
「もう5年目になりますかね」と。
つまり5年以上前に「チャペック」を訪れていたのだ。
カウンター越しに珈琲の話をし始める。
マスターが「この間、京都に行き、
大きな意味で同じグループの
『カフェ・ヴェルディ』という店に行ったんです」と。
「ではバッハグループですね」となり、
そこから話題はどんどん広がっていった。
関西各地にあるバッハ系列のことや、
金沢の珈琲店事情など、興味深いことばかりである。

マスターは僕より6歳年下。
音楽の話になると同世代の感じを受ける。
フォークソングやポピュラーミュージックなど、
ここでも共通の話題に膝を打つことが多かった。

まさか、ここでフォークシンガー・高田渡さんの名前が
登場するとは思わなかった。
「じつは『カフェ・バッハ』で少しだけ
コーヒーを淹れていたことがあるのです」と。
それは筋金入りのバッハ系列である。
コーヒーを仕事として見事に成立させ、
それを30年近く実践し続けることができた人物の話は面白い。


【本日の店舗】
「自家焙煎 珈琲屋 チャペック」
 石川県金沢市西都1-217
 076-266-3133


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2011年7月19日(火)

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