門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第48回
うずら屋

大阪に宮本幹子さんという料理人がいる。
彼女は京橋にある焼き鳥屋「うずら屋」のオーナーシェフである。
彼女の行動力は関西の料理界にとって必要不可欠といってもよい。
関西ではいろいろな料理人が集まり、イベントを行う。
多くの催しに参加し元気を送っているのが宮本さんなのだ。
そのネットワークの広さには、いつも驚く。

彼女はフランス料理を学び、
フランス料理店のオーナーシェフであった時代がある。
しかし「もっとカジュアルに食事の時間を愉しんでもらいたい」
と京橋のはずれで「うずら屋」を始めた。
ここの焼き鳥は串に食材を刺して焼くスタイルではない。
炭をおこし、その上に網をのせ、
そこで絶えず食材を動かしながら火入れをしてゆく。
扱う鶏は比内地鶏から滋賀の「かしわの川中」の淡海地鶏、
海外のうずらなど、彼女が厳選した食材だ。

つくねだけは串に刺して焼く。
ミンチ状にした鶏肉を焼くには串が必要。
回りにパン粉を付けることで
香ばしさとカリッとした食感を演出する。

せせりも脂分がよくのり、
また締まった身質が噛む楽しみを教えてくれる。

ぼんじりというかサンカクも同様にジューシーで、
かつその脂がきれいというのが真骨頂である。

コリッとしてグチュッと崩れてゆく。
この流れが心地よさを届けてくれる。
一方、皮は徹底的に脂を落とすことによって
サクッとした歯ざわりを生み出す。これも見事な一品だ。

他にも鶏の造りから、店名のうずら、仔羊、
全国から集められた旬の野菜など、
ここならではの品揃えがうれしい。
またソムリエがいるのでワインなど
アルコール類の充実も特色となっている。

秋には「うずら屋」の運動会なるイベントを毎年開催し、
何百人の人たちが集まり、交流を図る。こんな焼き鳥屋は珍しい。

【本日の店舗】
「うずら屋」
 大阪市都島区都島中通3-5-24
 06-6927-3535


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2011年7月22日(金)

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