門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第52回
はふう本店

京都は牛肉の消費量が結構多い。
祇園を始めとする花街には素晴らしい洋食屋があり、
日夜そこではステーキやハンバーグなどのメニューが供される。
また焼肉屋の看板もよく目にする。
そんな牛肉消費地にあって
「はふう」という洋食屋は独自の路線を歩む。

まずは店作りである。
長く伸びたカウンター。これがかなり長い。
おそらく20人近く並ぶカウンターは洋食屋では珍しい。
奥のテーブル席は大きなテーブルで、
これまた10人ほどでも集まることが可能だ。
こんな大胆な造りだが、その思い切りが僕は好きである。
ではメニューはとなると、お値打ちだと答えたい。
その一つにランチ時のハヤシライスがある。
写真では分かりにくいかもしれないが、
壷に入った牛肉のボリュームがすごい。

ソースと牛肉、いったいどちらが多いのだろうと
一瞬考えてしまうほどである。
それを御飯にかけると、
まさに牛肉がほとんどという状態になる。


食すと、そのすごさが実感を伴って身体中を駆け巡る。
牛肉のうま味そのもので御飯を食べる。
うなずき、納得し、喜ぶだけなのだ。
「このメニューばかり出ると、うちはホントに厳しいですね」
と笑いながら大西料理長は話すのだが、
案外本音なのかもしれない。
これで1050円は値打ちである。

じつは「はふう」の母体は精肉卸さん。
「うちはどこどこ産の牛というのではなく、
そのときにいい状態の牛を使うようにしています」とも話す。
これができるのが、この店の強みでもあるのだ。
 
また僕は、ここのハンバーグが好きだ。

食べたときに感じる牛肉の香りや味わい、
そしてなにより適度な弾力が素晴らしい。

そして口の中で弾ける肉汁の分量も半端ではない。
贅沢に牛肉を使っていると感じ、うれしくなってしまうのである。
 
それに加えて、カウンター内で仕事をするスタッフの動きが、
いつもピシッとしており、
それを眺めながらの食事は心地がいいものだ。


【本日の店舗】
「はふう本店」
 京都市中京区麩屋町通夷川上ル笹屋町471-1
 075-257-1581


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2011年8月5日(金)

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