門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第58回
セクションドール

つぎつぎと新しい店がオープンする。
いま京都で最もホットな話題の店と言われるのが
岡崎にある「セクションドール」。


まずタンドリーチキン専門店というのがユニークである。
タンドリーチキンといえば、思い浮かべるのはインド料理店だ。
しかし、ここはインド料理店ではなく、
なんとメニューにはタンドリーチキンしかない。
一般的にはタンドールという壷窯で焼いた鶏のことを指し、
インド料理の定番メニューである。
だが、ここにはタンドール、つまり壷窯が存在しない。
あるのは過熱蒸気オーブンのみ。

「これはアイロンなどを作っている会社に
お願いして作ってもらった器具です。
蒸気で約300度ぐらいの高熱がでるのです。
その熱さで鶏や野菜に火を入れるのです」と
オーナーシェフの永松秀高さん。

彼はもともとフランス料理人で、
かつて大阪でパン焼きオーブンをたくみに使い
それまでにないフランス料理を作り上げた
「キュイエール」(今は閉店)の新屋信幸シェフに魅せられ、
方向性が大きく変わった。
「特徴のある料理を作らないといけないと思ったんです。」
と永松さんは話す。
フランス、東京、京都などで修業した後、
この春自店をオープンさせた。

大きな皿にタンドリーチキンと季節の野菜がどっさりのっかる。

まず野菜を食べる。
「この瑞々しさはなんだ!」と驚愕である。
歯を入れた瞬間に野菜のうま味が口の中を覆いつくす。
表面はカリッとしているのに中は極めてジューシー。
人参の甘さなどは驚くばかりである。そして鶏を食べる。
これもスパイスの香りをしっかり感じる。
鶏はしっとりしていて、うま味を一滴も逃していない。
タンドリーチキンでは初めての食感と味わいなのだ。
ここに水牛のモッツァレラチーズと
パンが付いて1800円という価格もうれしい。
これからいかなる展開をするのか楽しみである。

【本日の店舗】
「セクションドール」
 京都市左京区岡崎西天王町84-1 M&M's APARTMENT 1F
 075-752-2249


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2011年8月26日(金)

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