門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第59回
café CARTON

岐阜市には年に何度か足を運ぶ。
目的は、この夏の季節なら「川原町泉屋」で鮎を食べるため。
ここでは郡上、益田川、和良川などの鮎を食べる。
順番に食すと、川によって味わいが確実に違うのが歴然と分かる。

また「開化亭」という中華料理店にも足を伸ばす。
ここでは鮎の春巻きやフカヒレのステーキなど
数々のオリジナルメニューを堪能できる。
「開化亭」に通うために
岐阜に向かうということもしばしばであった。
そんな岐阜通いをしているときに出会ったのが
「café CARTON」という珈琲店。


岐阜駅から近いロケーションにある。
店内は窓に向かってカウンターとテーブル席がある。
壁に掛けられた絵画はモダンアートがほとんど。
カウンターに置かれたモノも可愛い。
さりげなくあるのだが、静かに主張をしているようなのだ。

「いつもはマンデリンを注文されますよね」とマスター。
「酸味があるもの、ないものどちらがお好みですか」と聞かれた。
「酸味は少ないほうがいいです」との会話から
「無農薬のグァテマラかブレンドはいかがですか」とのこと。
無農薬グァテマラにした。

上品でキレのよい苦みとコク、酸味は少ない。
明らかに豆の質が良いことが分かる。
そして果実の甘い香りがあとに残っている。
好みの味わいである。

デザートは「チーズ牧場」である。
チーズケーキが解凍され次第にゆっくりと溶け出し、食べ頃となる。
食感がしっとりなったところで食べる。
甘みと酸味のバランスがいい。

そこにグァテマラを含む。
ケーキの甘みとグァテマラの苦みが、
うまく出会い双方の味わいが広がってゆく。
このケーキは、記憶にインプットされた。

カウンターに座って一人で珈琲を飲む。
思いは旅の印象的な出来事。
そんなふうに時間が過ぎてゆく。
窓に向かったカウンターの在り方を知ることができた一軒である。
旅人にはありがたいカウンターだ。


【本日の店舗】
「café CARTON」
 岐阜県岐阜市玉宮町1-6
 058-266-0427


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2011年8月30日(火)

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