門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第70回
酒中花 空心

大阪・西区新町は熱い界隈である。
昼間はもちろんのこと、
深夜遅くまで飲むだけでなくきちんと食べることができる。

そんな中でも注目すべき動きをするのが
「酒中花 空心」の大澤広晃さんだ。
1階の中華料理は相変わらず隆盛を極める。
今年に入り2階に「茶酔楼 時の葉」という飲茶の店を作った。
より中華料理を愉しむ幅を広げたということになる。

この日は、中華の料理人たちと1階「酒中花 空心」に出かけた。
やわらか角煮の特製黒酢酢豚。

視覚的にインパクトのあるメニューである。
近頃は黒もおいしさを表す一つの色となった。
まして黒酢酢豚は味わいに想像がつくだけに、
これがテーブルに運ばれると自然と唾液がにじんできた。
酸味の強さと豚肉の脂分が拮抗状態で、噛む愉しみが生まれる。
酸っぱさのあとの甘みが見事だ。

フカヒレの姿煮込み 北京風。

けっこうしっかりとろみのあるスープで、
下には山芋団子が忍ばせてある。
とろみと味わい濃厚なフカヒレ、
そこに山芋の食感が重なることで
これまでの煮込みとは一線を画く仕上がりとなっている。

四川麻婆豆腐は葉にんにくが相当主張するので、
種類の異なる辛みでインパクトを与えている。

相当勝負をかけた一品だと思わせる迫力があった。
つい白御飯と頼みたくなる辛みの連続だが、
食べすすむにつれクセになってしまうのである。
この辛さは習慣性あり。

締めはしじみ汁のビーフンだ。
しじみの味が強い。
貝からでるエキスが味わいを決める。

メニューは僕と中華の料理人が決めたが、
優しいとか淡いと表現する料理を少しも選ばなかった。
強くても食べてみたいと思う料理がずらりと並んでいたのだ。

四川がベースと感じるが、
広東だけでなく種々の料理や
時代の流れを上手く取り込んでいるのがうれしい一軒である。
次回は2階の様子も伝えたい。


【本日の店舗】
「酒中花 空心」
 大阪市西区新町1-21-2-1階
 06-6532-7729


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2011年10月7日(金)

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