門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第76回
豪火

関西の中華が素敵な展開を示している。
これまでメディアで中華料理の特集を組んでも、
それがかなりの部数や視聴率に反映されることは少なかった。
だが、近頃は、それがかなりの確率で
数字に現れるようになってきた。
つまり、関西の中華料理のバリエーションが増え、
食べ手の興味をより惹きつける存在になったのであろう。

「豪火」は大阪・帝国ホテル近くにある中華料理店だ。
ロケーションは決していいとは言えない。

旨い料理を供する店が立ち並ぶ界隈でもない。
だが、コンスタントにお客を集め、
常に刺激的な献立をプレゼンテーションするのだ。


まずは黒酢の酢豚である。

皿がテーブルに届いた瞬間に「おおっ」という歓声が上がる。
なんと皿の上には豚肉のみが鎮座する。
それも僕の握り拳ぐらいの大きさなのである。
黒酢あんをしっかりまとった豚肉。
潔いというか、シンプルと言ってよいのか迷うところだが、
迫力満点だ。これをナイフ・フォークで切り、食す。
なんともジューシーな味わい。
口の中で黒酢の酸味と豚肉の甘みが
じつにいいバランスで拮抗するのだ。
「これは凄いな」など同行のメンバーから声が飛ぶ。


もち豚のもち米焼売のサイズも大きい。

酢豚の豚より一回り小さいサイズだ。
それでも普通の焼売よりかなり大きい。
もち米のねっとり感に続く豚肉の旨みや脂分、
甘みなどがうまく交じり合って、
他店とは味わいの異なる焼売になっている。


そして僕が訪れる度にオーダーするのは
麻婆豆腐と五目炒飯である。
麻婆豆腐は、山椒と唐辛子、2種の違う辛さが決め手だ。

この麻婆豆腐はそのバランスに優れ、
かつ炒飯と一緒に食したときの味わいの膨らみが、
僕にとっては嬉しいセットなのである。

こんな刺激的な中華料理店が
大阪にもっともっと増えることを望んでいる。


【本日の店舗】
「豪火」
 大阪市北区天満橋3-4-25天満マンション2号館 1F
 06-6358-3585


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2011年10月28日(金)

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