門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第79回
GREENS Coffee Roaster

神戸・元町高架下の「GREENS Coffee Roaster」が
喫茶の営業を終了し、
焙煎と豆や機材の販売のみというスタイルに変え、
もうすぐ1年を迎える。

ここでコーヒーを飲むという楽しみは無くなったが、
オーナー・巌康孝さんの興味が、
どこに向いているのかが分かり、別の楽しみが生まれた。

この夏のこと。暑い日に顔を出すと
「カドカミさん、麦茶飲みます?」と声がかかった。
「はい」と応えると
「コーヒーの焙煎機で、麦茶を炒ったんです」ときた。
届いた一杯。色はかなり薄いが、飲むとその香ばしさが残り、
味わいのすっきり感にはいささか驚いた。
「いい麦が入ったんで」ということらしい。
その麦を見せてもらうと、確かに粒揃いで、
黄金色した色合いも美しい。

「これいいですね。販売してるんですか?」
「まだなんです。どうしても値段が高くなってしまうんです」と。
巌さんは、この夏、麦茶に興味というか
焙煎機の使い方について研究されたのだと思った。

一時、焙煎された豆の熟成について、
いろいろ意見を聞いたことがある。
「コーヒー豆をお売りするのですが、
どういう状態で、どのくらいの期間保存されるのか分かりません。
すると、少しは熟成されるものと想定して
焙煎をした方がいいのかもしれません」とのことであった。
つまり単純に豆を販売して終了というのではなく、
むしろその先のことまで考慮に入れ、豆を扱うということだ。


訪れた日も、麦茶以外に新たな機材を使って
コーヒーを淹れていた。
ドリップというか大きなペーパーを円錐形に巻き、それを使う。


「すこし研究してみようと思っているんです」と。
ティラミスを作った、とも話していた。


とにかくやりたいことが山のようにあるのだ。
2階では少人数相手(時にはマンツーマン)の
コーヒー教室を開催するなど、巌さんの興味は尽きないのだ。
これだけやりたいことがあれば、喫茶は休止して正解だ。

【本日の店舗】
「GREENS Coffee Roaster」
 兵庫県神戸市中央区元町高架通3-167
 078-332-3115


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2011年11月8日(火)

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