門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第81回
自家焙煎 東出珈琲店

金沢に取材で出かけた。
「あうん堂」という古本とコーヒーを供する店のご主人に
いろいろと話を伺った。
古本とコーヒー好きにはたまらない空間である。
またこの店が面白いのは、
3種のコーヒーをチョイスできるところだ。
一つは能登半島の「二三味珈琲」、そして焙煎人「中川ワニさん」、
地元金沢の「自家焙煎 東出珈琲店」のコーヒーだ。


取材が終わったのちに「自家焙煎 東出珈琲店」に立ち寄り、
コーヒーを飲んだ。
ここは元々「チャペック」という店で、
そこで働いておられた東出さんが継承した店。
外からも大きな焙煎機が見え、
いかにも自家焙煎のコーヒーを供しています
という香りが漂っている。
なんだかこういうシチュエーション、
気持ちがわくわくしてくるのだ。


カウンターの後ろにずらりとコーヒー豆が並ぶ。

「かなり出てしまって、空になっているのもありますが」と、
謙虚な言葉。「コーヒーはペーパードリップです」
一碗ずつゆっくりと淹れてゆく姿は、
じつに職人らしいオーラがある。

こんなにうず高く積まれたペーパーフィルターを見るのも
久しぶりだ。



初めての店はマンデリンかブレンドにする。
マンデリンを選択。

これは飲み手の好みと淹れる側のイメージが
どこまで近づくかが非常に面白い品種だ。
雑味のないきれいなマンデリンである。
喉を通るときのスッとした感覚が見事だ。後味がすっきり。
プロの仕事だと強く感じる。
しかし僕の好みからだと、少し軽めの印象を覚える。
これがマンデリンの興味深いところであり、
店によって大きな差が現れる豆なのである。
同じ豆を飲み続ける愉しみともいえる。
ここは何度か通って、いろいろマスターと話しながら、
好みのコーヒーを見つけたいと思った。


船の可愛いマークがシンボル。
この文字の感じも気持ちをリラックスさせてくれるのだ。

金沢でも次第にコーヒーを楽しめる店が増えてきたので、
金沢への旅が楽しくなってきた。
 

【本日の店舗】
「自家焙煎 東出珈琲店」
 金沢市十間町42
 076-232-3399


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2011年11月15日(火)

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