門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第82回
ニューオークラ

「油断大敵」ということばがある。
つまり、体内の油が切れると禁断症状を起こす人々のことだ。
それを旗印に「facebook」で盛り上がったコミュニティが
スタートした。
合言葉は「ラ ヴィアン ロース。
汝 脂自身を愛せよ! アブラカタブラ」だ。
つまり濃い味を愛する食いしん坊の集まりというわけである。
「油断大敵教会」と呼ばれ、
教皇や枢機卿(関東・関西)、大司教(各都道府県)など
それぞれの役職があり、
世代・性別・職業など多彩な人々が参加する。


その西日本公会議が、
大阪・北新地のステーキハウス「ニューオークラ」であり、

教皇、西の枢機卿など7名のメンバーが集まった。
わざわざこの会議に信州から駆けつけたメンバーもいたのだ。
この店は西の枢機卿(テレビ局プロデューサー)のお気に入りだ。
鉄板で焼き手がその前で焼くスタイルで、
枢機卿は焼き手まで指名する。


この日の牛肉は熊本産である。

産地を決めるより、
そのとき入荷される最上の牛を選ぶというのがコンセプトだ。
指名を受けた焼き手のポリシーは
「旨い焼き方はウエルダンである」という。
それは質のいい肉だからこそ可能となる言葉であろう。
強い熱量に耐えるには肉自体の質が問われる。


ここで興味深いのは、
一つの部位でも微妙に焼き方を変えることによって、
一口ずつ味わいが変化してゆくことである。
たとえばフィレを小さく切って、
周りを焼き固めると旨みが閉じ込められる。
しかし、同じ肉を少し厚めに切り、途中で開く。
そして醤油を一滴、ニンニクと山葵を付けて食すと、
今度は肉の甘みが一気に炸裂するのだ。

同じスタイルをフィレとサーロインで供するなど、
食べ手にとって嬉しい手法である。


また締めに用意されるカレーライスの素晴らしいこと。

牛肉のエキスが基となり、
旨みにまみれたカレーライスとなっていた。


【本日の店舗】
「ニューオークラ」
 大阪市北区曽根崎新地1-5-7 森ビルB1
 06-6341-1129


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2011年11月18日(金)

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