門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第84回
スペイン バスク料理「ETXOLA(エチョラ)」

ここ数年、関西でスペイン料理の風が吹き荒れている。
神戸の「カ・セント」大阪の「Fujiya1935」
奈良の「アコルドゥ」などが話題を集めているが、
大阪にある「エルポニエンテ」という
スペイン料理を牽引してきた店の存在も大きい。


そんな中、昨年綺羅星のごとく姿を現したのが
「エチョラ」というスペイン、
それもバスク地方の料理を供する店である。

バスク地方はフランス・スペイン両国にまたがり、
スペイン・バスクはスペインの中でも
独自の文化を有する地域で古くから美食の地として知られる。
またベレー帽の発祥地としても有名である。

この店の近くに、食いしん坊社長のアパレル会社がある。
彼とデザイナーと僕でカウンターに陣取った。


まず出てきたのが、
緑のガスパッチョとバスク産ピエール・オテイザさんの生ハム。

オテイザさんの処には昨年行ったので、
なんだか懐かしい気分を覚える。
「去年、この生産地に行ったんですよ」と話す。


的矢に近いあたご産の牡蠣も出た。

これは僕が最近いちばん濃厚かなと思っている牡蠣なのである。
「いい食材を手に入れるのもシェフの実力ですから」。
それも産地名ではなく、
自らの舌と胃袋で検証した食材を選ぶことが大切だ。

この「エチョラ」の特徴は、
炭火を巧みに使った料理が素晴らしいということ。


圧巻は最後のバスク産豚骨付きリブロースの炭火焼き。

噛む度にあふれ出る香りやジューシーさなど素晴らしい。
骨の回りの肉まですっかりかじってしまった。
最初の繊細な料理からこのダイナミックな炭火焼まで、
どの皿も同じテンションでサーブされるのが嬉しい。


またカウンター内で仕事をするシェフの姿が美しい。
一つの仕事が終わると、必ず調理テーブルをきれいに拭き、
次の仕事に移る。その流れとスピード感。
この様を見ていると、
仕事の進め方と清潔感がいかに大事かを実感した。


【本日の店舗】
スペイン バスク料理「ETXOLA(エチョラ)」
 大阪市西区靱本町1-4-2 プライム本町ビルディング1F
 06-6136-3824


←前回記事へ

2011年11月25日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ