門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第86回
祇園 喜鳥

京都・祇園。美味なる飲食店が軒を並べる界隈である。
四条通りより南側は石畳が敷かれ、
町家の風情が色濃く残っている。
この外観があるだけでも、京の叙情を感じることができるのだ。
ここはやはり和食が中心となるが、
近頃イタリア料理の躍進が目立つ。

そのなか新たな暖簾を掲げた中華料理店がある。
「喜鳥(こちょう)」という。
料理長とマネージャーは「リーガロイヤルホテル京都」の出身だ。
そこでは広東料理を学び、
大阪の「リーガロイヤルホテル」で四川料理を学んだ経験もあり、
ここでは広東と四川の技を味わえるのが嬉しい。
1階は掘りごたつ式のカウンターがあり、
2階は座敷になっているがそこでも
テーブルと椅子というスタイルで
食事がとれるものありがたいことである。

まず初訪は番組のロケーションであった。
食したのは酢豚一品のみ。

この酢豚の旨さに感激した。
黒酢酢豚で、4種類の酢を組み合わせてまろやかさを出している。
食材は豚と生麩のみという潔さも素晴らしい。
豚が持つ脂分の甘みと旨み、そこに生麩の食感がからみ、
これまで経験した酢豚とは比類ないインパクトを覚えたのだ。

2度目は3名で昼食。
ランチセットをオーダーし、そこに黒酢酢豚を追加注文した。
分量も程よい。同行者もいっぺんにここの酢豚のファンとなった。
同行者の一人は、数週間後に、
別の友人を誘って訪れたという報告が入った。

つい先日、8名で出かけた。2階座敷のテーブル席。
夜のコースを頼んだ。平目のカルパッチョ、
茶碗蒸し仕立てのスープはとろとろ加減が素晴らしい。


牛タンの赤ワインと紹興酒煮込みもシチューを思わせる味わいで、
みんなの賛同を得た。



渡り蟹も美しき姿となっていた。



やはり酢豚は大好評であった。



締めのトビコと漬物の炒飯もポイントをついた旨さ、
そこにスープをかけるという二弾攻撃で、
食べる側を興奮させた。


まだまだこの料理長には種々の技があると思った。


【本日の店舗】
「祇園 喜鳥」
 京都府京都市東山区祇園町南側572-9
 075-525-1203


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2011年12月2日(金)

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