門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第95回
naked

2011年11月末に事務所を引っ越した。
37年間通い続けた
大阪の北区堂島から中央区平野町への移転だ。
堂島はそぐそばに北新地という歓楽街が控えていたが、
平野町はまったくのビジネス街である。御堂筋に近く、
街を歩いている人たちの顔つきや洋服なども異なる。

移転と同時にランチマップ作成にかかる。
これは極めて重要なアイテムだ。女性スタッフが、
近隣のボルシチ専門店(これがビジネス街にあるのが面白い)
のマダムから仕入れてきた情報。
「カドカミさん、コーヒーとカツサンドがおいしいらしいですよ」
と僕にささやいたのだ。
この2つは僕にとってはキラーコンテンツのような存在である。
なにせ末期の一食は「カツサンド」と豪語しているのだから、
このニュースには強く惹かれた。

店の前に「手づくり珈琲とヒレかつサンド」
という看板が立っている。

問答無用である。
迷うことなく吸い込まれるように店に入った。
即座にセットをオーダーした。

そこでメニューをみると、
セットのコーヒーはブレンドである。
そして、別に「極深」という種類がある。
80円追加料金を払えば変更可能だという。では変更だ。
聞けばマンデリンということなのである。
これまた好みの豆ではないか。


ヒレかつサンドが届いた。一口食べる。
上品だが、しっかり肉の味がする。
噛むとその旨みが実感をともなう。

パンの具合とソースとの一体感もうれしい。
添えられたサラダにかかるドレッシングには
豆乳とゆずコショウが含まれている。
そのわずかな辛みと香りがいい。これはリピーターになる。


そしてコーヒー。マンデリン特有の土っぽい苦みも楽しめた。
抽出は、サイフォンとペーパードリップの使い分けをしている。
マンデリンはペーパードリップで淹れてくれた。

サイフォンより温度もやや低い。
だからこそマンデリン特有の苦みなどを
バランスよく抽出できるのだろう。
今後、マスターにいろいろ聞きながら、
ここのコーヒーを愉しみたいと思う。


【本日の店舗紹介】
「naked」
 大阪市中央区平野町3-1-7 大阪屋セントラルビル1F
 06-6203-1759


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2012年1月3日(火)

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