門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第101回
喫茶feカフェっさ

コーヒーは自家焙煎。
ブレンドは「飲む音楽」、ストレートは「あるがまま」。
そのストレートは3種あり、
「酸味・タンザニア」、「甘味・グァテマラ」、
「苦味・マンデリン」となっている。
そしてストレートのおすすめは
「なすがまま」とメニューに書いてある。
この分類も面白ければ、ネーミングのセンスも現代を感じさせる。


店内には、葉巻やパイプタバコのケースが置かれている。
「ここは葉巻も大丈夫なんですか」と聞くと
「ええ、そのケース類はお客様のものです。
喫っておられる方もおられます」と答えが返ってきた。
相当年齢の高い方だそうだが、
ほぼ毎日のようにやってきてパイプタバコを燻らすようだ。
それを許容する柔らかな雰囲気が漂っているのだ。


僕は、「苦味」のマンデリンをオーダーした。
カップが届いた。
見るとカップの持ち手のところに店名がちゃんと入っている。

これは可愛いセンスだ。
味わいは、苦味と書いてあるだけあって、
確かに苦みをしっかり感じる。
雑味がなくすっきり感もたっぷりだ。

丁寧に淹れられているのがよく分かる。

同行したカメラマンはブレンドを頼んだ。
基本は中深煎りだが、
注文で深煎りも頼める。カメラマンは深煎りをオーダーした。
ブレンドといえども、飲む側のリクエストに応じようとするのだ。
これはうれしい限りである。

じつは「喫茶feカフェっさ」のオーナー奥野薫平さんは、
河原町三条にある「六曜社」という老舗珈琲店の
2代目主・奥野修さんの息子である。
父親は京都の珈琲界で、兄貴分のように
若き店主達から慕われている存在だ。
奥野さんはいわば「六曜社」の3代目ということになる。

そんな彼が新天地で、現代の感覚を取り入れた店を持つ。
外観、内装、そしてメニューに組み方など、
奥野さんの個性あふれる展開となっているのだ。

京都の街は伝統を尊びながらも革新的なことを推進する。
そんな京都の個性を感じる一軒ともいえる。
そんな観点から、この店を見るのも楽しみの一つだ。

【本日の店舗紹介】
「喫茶feカフェっさ」
 京都市東山区唐戸鼻町562-1
 075-541-3917


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2012年1月24日(火)

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