門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第115回
ハニー珈琲 清川本店

福岡市にある「ハニー珈琲」。

スペシャルティコーヒーの発展とともに進化しているコーヒー店だ。
福岡の那珂川を眺める立地で、ビルの奥にひっそり佇む。
表通りに案内がある。
それに誘われて入ってゆくと、
コーヒーファンにはたまらない空間だ。


店内に伸びるカウンター。
その上には10個ほどのポットが置かれている。

その後ろに珈琲豆があり、
香りや味わいの特徴が書いてある。
そして試飲可能なのだ。
同行した京都の和の料理人は
「これは面白いですな。どれから試してみよう」
とやや興奮気味である。
「わあ、これはチョコレートの味と書いてあるけれど、
ホンマにその味がするわ。
これってコーヒーですよね」と不思議な表情だ。

僕も数種類テイスティングすると、
その料理人が言うように「説明」通りの香りと味わい。
チョコレートを感じ、
また別の一杯ではジンジャーやシトラスの香りを感じてしまう。
まさにスペシャルティコーヒーの世界満載である。
抽出方法は、プレススタイル。

「あまり深煎りしないんですか」と聞くと
「そうですね。やや浅いと思います」との返事である。
プレスの容器に沸騰したお湯を注ぎ、
4分間待ったのちにプレスして味わう。

プレスすることにより、
その豆が持っている個性や特質などをすべて出し切ることとなる。
また焙煎が深いと、コーヒーの脂分や雑味まで引き出してしまう。


僕は、なかでもやや深目の焙煎度合いの豆を選んだ。
深めだが、僕達が通常想像している深煎りとは異なる。
分量もほぼ二人前で酸味が上手い具合に表現されていたのだ。
ガブガブ飲むには非常にありがたい味わいといえる。


最後にエスプレッソを一杯。
これはちゃんと苦みがあって、
少し砂糖を入れると酸味や甘みが出てきて見事な形を作った。

これまでにもいろいろなコーヒー店を巡ったが、
これほどテイスティングが可能な店は貴重である。


【本日の店舗紹介】
「ハニー珈琲 清川本店」
 福岡市中央区清川2-1-21 ラシク1F奥
 092-526-8025


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2012年3月13日(火)

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