門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第120回
アルファロ

リストランテ「アルファロ」が大阪・北浜から淀屋橋、
もっといえば堺筋から御堂筋に移転して数年が経つ。
北浜時代の料理は過激なスパイス使いが面白い
尖った料理を供していたが、
淀屋橋に移ってからの料理は安定感のある重厚にして
時代を感じさせるモノに変わっていた。
オーナーシェフの小出哲也さんは
「やはり場所によって、お客さまの層が変わるんです。
ここは接待のお客さまも多いので、
あまり尖った料理ではないほうが喜んでいただけるようです」と、
料理の変化について話してくれた。

これは決してシェフの料理が軟弱になったというわけではない。
むしろそのレパートリーの広さや奥行きの深さを感じる。
それだけシェフの料理に関する
引き出しが多いという証明でもある。

この日は12名で会食。
メニューは予算10500円でシェフのお任せとした。


スタートは春のお野菜と色々な貝類と
サヨリのマリネ アンチョビソースと鯛のカラスミ添え。

これは視覚に訴える力もあり、
春の苦味や貝類の濃厚な味わいを上手く生かした一品である。


次はバッカラ(イタリア産タラの塩漬け)の
クリーム煮込み クレープ包みだ。

これは噛んだ時に中からあふれるバッカラの塩分と
クリームのマリアージュが見事である。


パスタが天然真鯛の白子湾内のホタルイカ 
岡山産ブロコレッティを使ったサフランを練り込んだ
タリアテッレときた。
これもまた春を大いに楽しませてくれるメニューであった。


そして魚が、瀬戸内産マナガツオとポテトのミルフィーユ。


肉は乳飲み仔牛ロースのロースト大麦とラディッキオと
豚足の煮込み添えマルサラソースである。


デザートもレンズ豆・白インゲン豆・イタリア産栗の
ハチミツ漬けベニアズマのニョッキ 羊乳の自家製リコッタと
苺のソルベ添えと並ぶ。

この日のメニューは過激さを感じさせながら、
しっかり着地点の定まった素晴らしい料理であった。

【本日の店舗紹介】
「アルファロ」
 大阪市中央区高麗橋4-2-7 ホテルユニゾ大阪淀屋橋2F
 06-6231-1107


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2012年3月30日(金)

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