門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第121回
MARUKE COFFEE

静岡県焼津市へ出かけた。
海のそばに建つギャラリー&カフェでは
現代美術のコレクションに驚き、
寿司屋ではやはり鮪の旨さに舌鼓を打った。
旅の締めは、コーヒーを飲むことにした。


そこで出会ったのが「MARUKE COFFEE」である。

道路に分かりやすい看板。


店は倉庫を改造したような感じで、
決して豪華ではないが職人ならではの雰囲気が漂っている。

ここは店内で飲むというよりも、
どちらかといえば豆売が主体のようだ。
しかし、奥にはきちんとテーブル&イスが用意されている。


マンデリンをオーダー。

淹れる姿を見ていると、フレンチプレスだ。豆を挽く。
同時に湯を沸かす。
それを使ってプレスの容器をしっかり温めるなど、
流れはゆったりしていて、仕事はじつに丁寧である。
プレススタイル特有の脂分なども抽出されているが、
マンデリンが持つ土っぽさも感じながらも、
結構すっきりとした飲みくちが、心地よかったのだ。
それがなんと250円という価格
「まあ試飲のようなものですから」も、かなり嬉しいことだ。 

マスターが淡々と自分の世界を構築している。
そんな空気感が店全体を支配する。
店内にはギターが置かれるなど、趣味性も高いのだ。


そして驚いたのが、焙煎機である。

ガスにかけ、自らの手で動かす手回し。
これは東京の「大坊珈琲」や
京都の「王田珈琲」などで見かけたが、
ここで再会するとは予想もしなかったこと。
一度に焙煎する量も限られているのだが、
手の感触と音、煙の具合などでポイントを決めてゆく手法は、
いまや貴重である。


常連らしき人たちが訪れ、
マスターの佐々木優樹さんと言葉を交わし、
豆を購入してゆく。そこには温かな交流があるように感じた。

じっくりと手回し焙煎機など
いろいろ聞きたいことがあったのだが、
今回は時間がなく、それは次回の楽しみとしたのであった。

【本日の店舗紹介】
「MARUKE COFFEE」
 静岡県焼津市小川新町1-9-8
 090-6078-7674


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2012年4月3日(火)

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