門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第130回
鮨処 たかはし

大阪・北新地に寿司屋は100軒以上あると言われている。
もちろん値段も客層もまちまちである。
しかし、誰もがそこでお気に入りの何軒かを持っている。

そんな中にあって、昼営業もしているうれしい店がある。
それが「鮨処 たかはし」だ。

かつては有名料理屋が
天ぷら店を営んでいた場所だと聞いたことがある。
檜のカウンターがL字型に伸びる。
その中で大将とスタッフが絶えまなく動く。
それは無駄がなく美しい。


オープンと同時に入る。
大将は火元でじっくりと玉子を焼いている。
焼き上がり、それを即座に握る。

やや熱いがほおばると一気に玉子の旨みが弾ける。
ここから「鮨処 たかはし」のランチは始まるのだ。


次は中トロ。

脂のキレがすごくよく、すっきりと消え、
香りだけが残ってゆく。きれいなマグロ。


「イカです。塩を振っていますので、そのままで」とのコメント。

包丁の切り込みも美しい。
それによって甘みが出てくる。


タコも香りがいい。歯ごたえも十二分だ。


ここで赤身のマグロが2貫出た。

これも香りがしっとりしていながら旨みあり。
うれしい。


エビも色艶がよい。



白身は甘手カレイ。

繊細で、味わいはストレートに飛び込んでくる。


ウニは軍艦巻きでなく、そのまま握る。

ウニの味わいを海苔で消したくないという思いであろう。


締めは穴子である。

ねっとりと甘い。舌が喜んでいるのが分かる。

9種類10貫で値段は2500円。
これが夜なら1万円は軽く超える。
昼食だからとびきり値段なのだろうが、
これはお値打ちである。
予約客ですぐに満席になるというのは理解できる。

ここの大将は、
かつて大阪の「ホテルプラザ」で寿司を握っておられた職人である。
見事に北新地という寿司屋激戦区で、見事に営みを続け、
かるく10年を超える。
まずは昼から始め、つぎは夜にも訪れる
というパターンが多いようだ。


【本日の店舗紹介】

「鮨処 たかはし」
 大阪市北区堂島1-2-32トヨタビル3F
 06-6341-5507


←前回記事へ

2012年5月4日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ