門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第139
かふぇじーの

京都・大徳寺の傍にユニークな珈琲店を発見した。


店名は「かふぇじーの」。

建物の2階にある。外付けの階段を上り店内に入ると、
まず目に入るのが壁面にぎっしり並んだレコード盤だ。
その迫力に驚き、また大きなスピーカーから流れる
音の良さに感動する。

テーブル席とカウンターがあるが、カウンターに腰を落ち着ける。
深煎りを注文する。ネルドリップだ。
それも特製の容器を使って淹れる。


聞くと「これは知り合いの陶芸家に作ってもらいました。
ペーパーフィルターも使ったのですが、やはりネルがいいです」
とのこと。

供されたコーヒーは、苦味もあるが
非常にクリアですっきりした飲みくち。
すいすいと喉を通過してゆくのが分かる。


ハニートーストをオーダー。
少し厚めだが、しっかり焼けていてバターとハチミツ、
そしてシナモンパウダーがかかる。
僕はこの3種の組み合わせが好きなので、うれしくなってしまった。

シナモンの香りとハチミツの甘味、
バターのコクは三位一体となって胃袋に収まっていった。


「音楽はどんなジャンルがお好きですか」と聞かれたので
「ジャズが好みです」と答えると、
壁面から数枚のアルバムを取り出し、
ターンテーブルに乗せてくれたのが
「THE MODERN JAZZ QUARTET」の「FOMTESSA」だ。
音がすこぶる良い。

「この時代の日本盤はホントに音がいいのです。
骨董市などで見つけ、きれいに掃除をすると、音が蘇ります」
とマスターは話してくれた。
音楽業界に身を置いた人なのですかと質問すると、
「ずっとコーヒー関連の会社におりました」との返事。
「焙煎機も手を入れて、炭火で焙煎するようにしました」と。

ここからコーヒーの話題に転がってゆき、
昨今のスペシャルティコーヒーのことや、
バリスタチャンピオンシップの話題など、
どんどんひろがるばかりであった。

音楽やオーディオ、そしてコーヒーと、
聞きたいことがいくらでもある。
また時間を見つけ、訪れたいものだ。


【本日の店舗紹介】

「かふぇじーの」
 京都市北区紫野西野町10
 075-441-5335


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2012年6月5日(火)

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