門上 武司

「一杯の珈琲から一皿の満足まで」
  門上武司の食コラム

第161回
生きている珈琲

京都・四条通りのビルの地階。

1階にも案内がある。

「生きている珈琲」というネーミングが興味深い。
「自家焙煎」「50席」とある。
階段を降りようとすると、
そこにも「生きている珈琲」という文字が踊る。
「Living Coffee」とも書かれている。
英語ではそう表記するのだと、妙に納得する。

地階の店内は結構広い。
半個室、カウンター、テーブル席と分かれている。
喫煙コーナーもある。僕はカウンターに座った。
メニューを読む。赤、白、スモーキングとある。
スモーキングは苦味重視でタバコに良く合うとのこと。


ストレートの中からいちばん苦味が多いマンデリンを選ぶ。

コーヒー豆は22グラム使用。
円錐形のペーパードリップで抽出するらしい。
驚くぐらいにきれいというかすっきりした味わい。
いかにもスペシャルティという雰囲気を漂わせている。
焙煎は熱風低温焙煎機で焙煎を手がける。

「プレス式の抽出もされるのですか」と聞くと
「もちろんプレスもやりますが、
最近おすすめなのは急須スタイルです」とのこと。
「プレスと急須は、考えると一緒ですから」とも。
言われてみれば挽いた豆にお湯を注いで飲む
という意味では同じである。
次回はいちど試してみたい誘惑にかられた。

またメニューを見ていると
「生珈琲ゼリー」という文字が気になる。
「豆の量を増やし、ゼラチンを減らし、
柔らかいお刺身のような感覚のゼリーです」。
つい、それをお願いしますとオーダーしてしまった。


美しいチューリップスタイルのグラスに
コーヒーゼリー、生クリーム。

まずそのまま食べる。苦味が強い。
ミルクを混ぜると、やや苦味が和らぐ。
そこにシロップを加えると、非常にバランスがいい。
固さが絶妙だ。

コーヒーに対していろいろなアプローチを試みる空間である。
コーヒーを愉しみたいという人は当然のことながら、
プライベートな時間を過ごしたい人にもおすすめできる。


【本日の店舗紹介】

「生きている珈琲」
 京都市下京区立売東町 みのや四条ビルB1
 075-255-3039


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2012年8月21日(火)

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