中国って、本当のところどうなの?

第4回
中国人の一人当たりの生産力

さて、中国経済全体の成長規模をみてきましたが、
ここで中国人一人当たりの生産力、
すなわち「毎年、各個人の稼ぎ出す金額」
をみていきましょう。

ご存知の通り、
中国は13億人もの人口を擁する国です。
「チリも積もれば山となる」ではありませんが、
少ない所得の人々でも、たくさん集まれば、
数字の上では経済大国らしく「見えます」。

言うまでもなく、
一般的な中国人は、日本人と比べると
遥かに所得が低いのが現状です。

それでも、中国人の一人当たりの国民所得は、
国のGDP同様に右肩上がりで、
綺麗に上がっています。

2004年には、
一人当たり年間で10500元も稼ぐようになっています。
これは1元=14円で換算すると、15万円弱になります。
10年前と比べても、
一人当たり2倍ほどになっているのです。
これで経済が伸びていると感じられない訳がありません。

日本人の一人当たりの生産力は、
ここ10年で大きな変化はありませんが、
中国では倍増しているのです。

先の、アメリカのCIAが発表する
購買力平価(PPP)で計った場合も考えてみましょう。

一人当たりの年間生産力(GDP Per Capita)では、
日本人が一人当たり1年間に
アメリカ・ドルにして、
29,400ドル稼いでいます。

それに対し、中国人は一人当たり、
日本人の約5分の1である
5,600ドルしか稼いでいません。
これは、全世界平均の
8,800ドルにもまだ及びません。

世界的に見ると、日本人は21位、
中国人は121位となり、
大きく水をあけられています。

しかし、こうした「国民一人当たりの平均」
で中国の市場を読み解こうとすると、
大きく予想を裏切られることになるでしょう。

同じ中国人でも、
お金の無い人は本当にありませんし、
お金持ちはそこらの日本人よりも
遥かに裕福である場合があります。

中国では、アメリカ的な「スーパー・リッチ」と
「極貧層」との差が激しい社会を
思い描いておく必要があるのです。

また中国の場合、
極貧層の裾野がとても広いので、
13億の頭数で割ると、
一人当たりの所得は低くなってしまいますが、
中国の富裕層は、確実に広がりつつあります。


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